内容説明
ベンヤミンのいう「十九世紀の首都」をまったく新しい「現代性」の形式で文学にした散文詩集。詩人が晩年の詩魂のすべてを傾注したこの名作を明晰な新訳で。
目次
アルセーヌ・ウーセイに
異邦人
老いた女の絶望
芸術家の告白の祈り
おどけ者
二重の部屋
人はみな噴火獣を背に負って
道化師とヴィーナス像
犬と香水壜
商売下手のガラス売り
深夜一時に
野蛮な女と気取った恋人
群集
寡婦たち
老いた大道芸人
菓子
時計
髪のなかの半球
旅へのいざない
貧しい子供の玩具
妖精たちの贈物
誘惑―またはエロス、プルートス、栄光の女神
黄昏
孤独
計画
別嬪のドロテ
貧しい者の眼
英雄的な死
贋金
気前のいい賭博者
縄
性向
バッカスの杖
酔うがよい
もうすでに!
窓
描くという欲望
月の恵み
どちらが本当の彼女か
純血種の馬
鏡
港
愛人たちの肖像
粋な射手
スープと雲
射撃場と墓場
光輪の紛失
ビストゥリ嬢
ANY WHERE OUT OF THE WORLD この世の外ならどこへでも
貧者たちをぶちのめせ!
気のいい犬たち
著者等紹介
ボードレール,シャルル[ボードレール,シャルル][Baudelaire,Charles‐Pierre]
1821年4月9日パリで生まれ、中学時代からロマン派の詩に傾倒して詩作を開始する。1845年、ドラクロワを称讃した最初の著書『一八四五年のサロン』を著わし、時代の絵画的課題を深く自覚的にとらえた尖鋭な美術評論家として世に出る。1847年バルザックの影響下に小説『ラ・ファンファルロ』を発表し、翌年から米国の詩人ポーの翻訳を開始するが、この仕事は彼の詩学だけでなく、のちの象徴主義の詩人たちに大きな影響を与えることになる。1948年の二月革命では深く政治的活動に関わるものの、積極的に社会的参画を企てるのは生涯でこの時に限られる。1857年、近代韻文詩史上の最高傑作『悪の華』を上梓するが、公衆道徳紊乱の科で断罪され、第二版が刊行されるのはその4年後である。『悪の華』以後、彼は自分の生きる時代の特異性(現代性)を詩に取り込むことを望み、散文による詩篇の制作に全力を注ぐ。『パリの憂鬱』の刊行は死後の全集においてだが,この詩集はやがて現代詩への「絶対の始まり」(ジョルジュ・ブラン)を画する作品と評価される。1864年経済的困窮解決のためにベルギーに赴き,1866年ナミュールの教会で転倒して脳障害の症状が生じ、翌年8月31日パリで死去。二つの詩集のほか、多くの文芸批評と美術批評がある
渡辺邦彦[ワタナベクニヒコ]
1936年岐阜県に生まれる。1956年早稲田大学教育学部国語国文科中退、1960年早稲田大学第1文学部哲学科(西洋哲学専修)卒業。卒業後は1997年定年退職まで出版社数社で編集・翻訳業務に携わる。現在フリーエディター(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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