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大人の本棚
悪戯の愉しみ

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  • サイズ B6判/ページ数 275p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784622080565
  • NDC分類 953
  • Cコード C1397

出版社内容情報

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アルフォンス・アレー(Alphonse Allais)
1854年-1905年。フランスの港町オンフルールに生まれる。薬学を学びに出たパリで「文学」に感染して学業を放棄、サティがピアノを弾いていたモンマルトルの酒場「黒猫」を拠点に活動した。週刊誌「黒猫」、日刊紙「ジュルナル」のコラムや週刊誌「微笑」の主筆として毎週一篇のコントを書き、ユーモリストの名を馳せた。生涯に書いたコントやコラムの総数は千数百におよぶ。51歳の秋、静脈炎による血栓で急死。日本では戦前に雑誌「新青年」が紹介、戦後になって澁澤龍彦による翻訳が数篇ある。

山田 稔(やまだ・みのる)
1930年、門司に生まれる。作家。著書『コーマルタン界隈』(みすずライブラリー)『北園町九十三番地 天野忠さんのこと』(編集工房ノア)『ああ、そうかね』(京都新聞社)『あ・ぷろぽ』(平凡社)『残光のなかで 山田稔作品選』(講談社文芸文庫)ほか。訳書 『フランス短篇傑作選』(岩波文庫)グルニエ『フラゴナールの婚約者』(みすず書房)フィリップ『小さな町で』ほか。

内容説明

「世の中には、複雑な人間と単純な人間がいる。」「問題のひげというのは、パリでも五指に入るみごとなひげだったと仮定しよう。そしてもう、その話はよそう。」「あつかましさにかけては、医者の右に出るものはあるまい。」こんな書き出しにピンと来たあなたは、もうアレーの世界に足を踏み入れている。アレーは国家、政治、宗教、恋愛、結婚、生死などを笑いの標的にした。ブルトンは『黒いユーモア選集』で、批評性、破壊力がつよいアレーの作品を「エスプリのテロリスム作用」と呼んでいる。日本でも戦前は『新青年』、戦後は渋沢龍彦に熱を上げさせたアレー、没後百年を記念してここにまた、作家山田稔の改訳、新訳とりまぜた名訳でお届けする。

目次

コラージュ
キス男
小さなブタ
静物
とびきり上等の冗談
お返し
単純な人々
親切な恋人
夏の愉しみ
輝かしいアイデア〔ほか〕

著者等紹介

アレー,アルフォンス[アレー,アルフォンス][Allais,Alphonse]
1854‐1905。フランスの港町オンフルールに生まれる。薬学を学びに出たパリで「文学」に感染して学業を放棄、サティがピアノを弾いていたモンマルトルの酒場「黒猫」を拠点に活動した。週刊誌「黒猫」、日刊紙「ジュルナル」のコラムや週刊誌「微笑」の主筆として毎週一篇のコントを書き、ユーモリストの名を馳せた。生涯に書いたコントやコラムの総数は千数百におよぶ。51歳の秋、静脈炎による血栓で急死

山田稔[ヤマダミノル]
1930年、門司に生まれる。作家
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

たーぼー

45
エスプリは訳されることにより本来の味わい、おかしみが損なわれる恐れを孕んでいると思うし、そもそも原語であれ伝わらない者にはおいてけぼりを喰らわすようなものだが、この悪戯の数々はツボにくるものが多い。山田稔訳の名調子とともにアレーの毒牙に掛った者達が累々と屍を重ねてゆく光景は笑える、笑えない、の領域を超え、もはや抒情的ですらある。人間の狂気や不幸に慈愛と野卑な視線を送り、欺瞞に満ちた社会に尻を喰らわせながらも洒脱に包み込むアレーの背後にはロートレック、サティらと交遊を交わしたカフェ「黒猫」の灯が浮かぶよう。2016/11/08

utataneneko

7
シュールでブラックな短篇(というより、コント)が集められている。アレーの作品では、いとも簡単に人が死ぬし、殺される。もちろん、ブラックすぎる「悪戯」なのだが。人の不幸も、幸せさえも風刺の的となる。アレーは、ルナール、ジャリ、ロートレック、そしてサティらとともにカフェ「黒猫」に出入りしていた人だという。そう聞くとなんだか納得。どの作品も、あの時代の雰囲気をまとっている気がする。2014/04/09

きりぱい

7
えええっ!ほんとに色んな意味で、えええっ!悪戯にひっかかるのを、ムフフ・・と待つような可愛らしいものではなく、可笑しいけどブラック、まさに破壊力のと言われるだけある、えげつなさが目白押しの小話集。著者自身、家が薬屋で、薬品を扱った悪ふざけを地でいっていた子供時代があるのもすごい・・。2010/08/30

刳森伸一

3
数ページ程度のブラックコメディを集めたコント集。いかにもフランスというべきエスプリが効いている、というより効きすぎていて中にはグロテスクなものまである。笑える話もあるのだが、あまりにしょ~もない話もあって脱力することもしばしば。まあ、それらを含めて一冊の本として満足できる構成になっている。編訳者の炯眼の賜物だろうか。 2017/05/16

unknown

3
友人の細君の葬式で見かけた女性に一目ぼれしてしまい、もう一度お目にかけたいと望むあまりに友人を殺害してしまう「見つけた!」は、『八百屋お七』や『殺人者を判別する心理テスト』(「夫の葬儀の参列者に一目惚れした未亡人が、数日後自分の息子を殺害した。それはなぜか?」)と共通の心理を描いた一編。2012/03/14

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