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指紋と近代―移動する身体の管理と統治の技法

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  • サイズ B6判/ページ数 265,/高さ 20cm
  • 商品コード 9784622079675
  • NDC分類 317.76
  • Cコード C1036

出版社内容情報

個人認証技術としての指紋法の発生から満州国での使用と展開、現在まで。国家による統治の技法としての指紋の歴史の全貌を初めて描く

個人の生体認証技術を考えるとき、すぐ思いつくのは指紋である。「終生不変」「万人不同」という特徴をもつ指紋を生かした指紋法は、19世紀末イギリスの植民地インドで生まれたが、その後、日本の満州国で発展をとげ、現在に至っている。そこには、犯罪者を含め移動する人々、ひいては全国民を管理・統治しようとする国家の狙いがあった。実証と構想を併せてその歴史と現在を初めて描いた力作。

序章 指紋をめぐる問い/第1章 「指紋法」誕生の軌跡:イギリス帝国のネットワークと移動する身体という「課題」/第2章 指紋法の伝播:イギリス帝国から日本帝国へ/第3章 満洲国の理想と現実:建国当初における指紋登録をめぐる動き/第4章 労働者指紋登録の開始:労働者移動と格闘する時代へ/第5章 労働者管理から国民登録へ:「国民手帳法」という結末の意味/第6章 警察制度改革と拡大する指紋:警察指紋・国民指紋法・県民指紋登録/第7章 戦後日本の再編と指紋:戸籍法・住民登録法・外国人登録法/終章 生体認証技術の現在を考えるために

内容説明

指紋法が使用される背景には、共通して、放浪生活を営む人びと、偽名を使って移動を繰り返す犯罪者、国境を越えて往来する移民がいた。指紋法は移動する人びとを、国家や植民地統治者が把握・管理可能な状態に置くための統治の技法だった。なぜ指先の紋様なのか。近代的統治の課題とは何だったのか。イギリス帝国から日本帝国、さらにグローバル化時代へと続く、生体認証技術の歴史的変遷を描く。

目次

序章 指紋をめぐる問い
第1章 「指紋法」誕生の軌跡―イギリス帝国のネットワークと移動する身体という「課題」
第2章 指紋法の伝播―イギリス帝国から日本帝国へ
第3章 満洲国の理想と現実―建国当初の指紋登録をめぐる動き
第4章 労働者指紋登録の開始―労働者移動と格闘する時代へ
第5章 労働者管理から国民登録へ―国民手帳法という結末の意味
第6章 警察制度改革と拡大する指紋―警察指紋・国民指紋法・県民指紋登録
第7章 戦後日本の再編と指紋―戸籍法・住民登録法・外国人登録法
終章 生体認証技術の現在を考えるために

著者等紹介

高野麻子[タカノアサコ]
1981年、東京生まれ。一橋大学大学院社会学研究科地球社会研究専攻修士課程修了。同博士課程単位取得退学。博士(社会学)。日本学術振興会特別研究員(PD)を経て、明治薬科大学薬学部講師。専門は歴史社会学、移動研究(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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