出版社内容情報
最新作『歩いて見た世界』の監督による孤高の幻視行
鬼才ヴェルナー・ヘルツォーク監督は、人間と自然の壮大なドラマをテーマにした映画で広く知られる。『アギーレ・神の怒り』『フィツカラルド』など初期の代表作から最新作『歩いて見た世界』まで、野心的な作品は高い評価を受け、数々の映画賞を受賞している。
1974年11月、ヘルツォークはパリにいる友人の映画評論家ロッテ・アイスナーが重篤と知らされる。自分の足でパリまで歩いていけば、アイスナーの病は治る……と願をかけ、真冬のミュンヘンを発つところからこの日記は始まる。
痛む足をひきずりながら、死んだような小さな村をいくつも通り過ぎ、空き家に泊まり、田舎道を彷徨する。あるときは、自分がまだ人間の姿をしているのを確かめようとガソリンスタンドのトイレに駆け込む。やがて寒さに凍えるカラスを兄弟のような感情を抱くようになり、リンゴの実がすべて落ちるまで木を揺さぶった直後の静寂に、孤独と疲労が頂点に達する……
研ぎ澄まされた感覚で、魂を震わすような自然に身を投じるヘルツォークならではの眼差し。極寒のなかをひたすら歩く真摯な姿と、狂おしいまでの思いが読者の心を打つだろう。
内容説明
重病の親友の快復を願かけて、氷と雪に閉ざされたミュンヘン‐パリ間を彷徨する“魂”の軌跡。
著者等紹介
ヘルツォーク,ヴェルナー[ヘルツォーク,ヴェルナー] [Herzog,Werner]
1942年ミュンヘン生まれ。1963年から短編映画を製作しはじめ、何度も世界の辺境を旅して回り、人間と自然の壮大なドラマをテーマに野心作を次々に発表。ヴィム・ヴェンダースらとともに“ニュー・ジャーマン・シネマ”を代表する映画監督として高い評価を受けている。監督業のほか、俳優としても活躍。『氷上旅日記―ミュンヘン‐パリを歩いて』は1978年に刊行され、ザルツブルク文学賞を受賞した
藤川芳朗[フジカワヨシロウ]
東京都立大学大学院修了。ドイツ文学専攻。横浜市立大学名誉教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
マリリン
紫羊
ぱせり
qoop
justdon'taskmewhatitwas