出版社内容情報
モダニズム諸概念の解体・再編制にむけコールハース『S,M,L,XL+』、ベンヤミン『パサージュ論』ほか12の書をとりあげた読
編者が東大退官後の2010年、研究室OBを中心に始まった読書会の記録。全編担当者による問題提起的レビューと編者解説というゼミ形式で、「日常性」「複雑性」「具体性」「歴史性」「無名性」「無意識」をテーマに掲げつつコールハース『S,M,L,XL+』、磯崎新『建築における「日本的なもの」』、多木浩二『生きられた家』、ベンヤミン『パサージュ論』、ギブソン『生態学的視覚論』ほか12の書をモダニズム諸概念の解体・再編制にむけて読みとく。
はじめに 難波和彦
第?T部 日常性の美学
1 ミシェル・ド・セルトー『日常的実践のポイエティーク』を読む
建築の物語 西島光輔+栃内秋彦
技術の起源へむかって 難波和彦
2 レム・コールハース『S,M,L,XL+』を読む
「+20年」の推測から確信へ 小林惠吾
プログラム―調査―理論化―デザインの連鎖 難波和彦
3 エドマンド・バーク『崇高と美の観念の起原』を読む
〈崇高〉がもたらすものとは? 遠藤政樹+佐々木崇
美学の深度 難波和彦
第?U部 無意識の構造
1 多木浩二『生きられた家』を読む
正しい誤読法 服部一晃
機能主義2.0 難波和彦
2 バーナード・ルドフスキー『驚異の工匠たち』を読む
ヴァナキュラーから建築を考える 岩元真明+川島範久
自然と作為のデザイン論 難波和彦
3 J・J・ギブソン『生態学的視覚論』を読む
アフォーダンス理論の応用可能性 岡崎啓祐+光嶋裕介
生態学的建築論をめざして 難波和彦
第?V部 自生的秩序と計画
1 ジェイン・ジェイコブズ『アメリカ大都市の死と生』を読む
大都市のゴッドマザー 岩元真明
自生的デザインの可能性 難波和彦
2 マンフレッド・タフーリ『球と迷宮』を読む
アヴァンギャルドの「計画」とズレ 龍光寺眞人
抑圧されたモダニズムの回帰 難波和彦
3 I・プリゴジン、I・スタンジュール『混沌からの秩序』を読む
ノイジーな計画学 中川純+田中渉
決定論的カオスの教え 難波和彦
第?W部 歴史の底流
1 磯崎新『建築における「日本的なもの」』を読む
〈日本的なもの〉から〈ニッポン的なもの〉へ 千種成顕+梅岡恒治
〈日本的なもの〉のデ・コンストラクション 難波和彦
2 ヴァルター・ベンヤミン『パサージュ論』を読む
近代技術の〈夢〉と〈目覚め〉 岩元真明
歴史の効用 難波和彦
3 アンドレ・ルロワ=グーラン『身ぶりと言葉』を読む
欠乏から生まれる新しいリズム 杉村浩一郎+佐藤大介
建築の原型へ 難波和彦
付録 難波研究室必読書30
あとがき 難波和彦
内容説明
「モダニズム運動の陰で捨象された近代をとらえる精細でオルタナティヴな視点の探索」へ。『S,M,L,XL+』『パサージュ論』ほか12の書を全編ゼミ形式で読みとく。
目次
1 日常性の美学(ミシェル・ド・セルトー『日常的実践のポイエティーク』を読む;レム・コールハース『S,M,L,XL+』を読む;エドマンド・バーク『崇高と美の観念の起源』を読む)
2 無意識の構造(多木浩二『生きられた家』を読む;バーナード・ルドフスキー『驚異の工匠たち』を読む;J・J・ギブソン『生態学的視覚論』を読む)
3 自生的秩序と計画(ジェイン・ジェイコブズ『アメリカ大都市の死と生』を読む;マンフレッド・タフーリ『球と迷宮』を読む;I・プリゴジン、I・スタンジェール『混沌からの秩序』を読む)
4 歴史の底流(磯崎新『建築における「日本的なもの」』を読む;ヴァルター・ベンヤミン『パサージュ論』を読む;アンドレ・ルロワ=グーラン『身ぶりと言葉』を読む)
付録 難波研究室必読書30冊
著者等紹介
難波和彦[ナンバカズヒコ]
1947年生まれ。建築家。東京大学名誉教授、放送大学客員教授。文化庁国立近現代建築資料館運営委員、グッドデサイン賞(住宅部門)審査委員なども務める。1974年、東京大学大学院博士課程修了(生産技術研究所・池辺陽研究室)。1977年、界工作舎設立。1996年、大阪市立大学建築学科教授を経て2003年、東京大学大学院工学系研究科建築学専攻教授。2014年、日本建築学会賞業績賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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エリナ松岡
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