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出版社内容情報
祖父フロイト、動物への偏愛、過激な女性遍歴…美しくない肖像・裸体を描きながら現代美術のカリスマ的具象画家となった男の人生。
序
第一章 朝食
第二章 ストーキング
第三章 若き日々
第四章 女性遍歴の始まり
第五章 オブセッション
第六章 ローナが遺したもの
第七章 キャロライン
第八章 絵の具
第九章 愛人たち
第十章 ある娘の物語
第十一章 晩年の二人のモデル
第十二章 ディーラーたち、そしてギャンブル
第十三章 子孫
第十四章 フィナーレ
訳者あとがき
[資料]ルシアン・フロイド「絵画についてのいくつかの考え」
原註
図版クレジット
索引
内容説明
肖像画、というには剥き出しすぎる人間の姿を描きつづけたこの画家は、いったいなにに囚われていたのか?青年のとき一枚の絵に出くわして以来、フロイドを追いかけてきたイギリス人ジャーナリストが、本人との会話や彼を知る身近な人々(家族、友人、モデル、美術関係者…)への取材をもとにあらわす、初めて公刊されたルシアン・フロイド伝。
目次
朝食
ストーキング
若き日々
女性遍歴の始まり
オブセッション
ローナが違したもの
キャロライン
絵の具
愛人たち
ある娘の物語
晩年の二人もモデル
ディーラーたち、そしてギャンブル
子孫
フィナーレ
1 ~ 1件/全1件
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
harass
67
2011年に88歳で亡くなった画家の評伝。英国美術界の巨匠として成功し、彼の祖父は精神分析医のジークムント。芸術と快楽を追求し、二度の結婚歴とドンファン並みの恋愛遍歴があり、認知された子どもが14人。奇人といえる破綻した性格であったが輝く才能と魅力に溢れた人物だったという。著者は晩年の10年彼の朝食によばれるようになり、死や葬儀の様子や、死後関係者が口を開いた彼とのエピソードの数々。英国上流階級での華麗で無茶な交流に呆れ驚く。実におすすめ。2017/08/08
こばまり
46
己と己の芸術にのみ誠実で、かくも愛され自由に生きた。否、自由という点では人生の初期に於いて圧倒的に侵されている。ナチスの台頭による英国への亡命である。エキセントリックなハンサムで、交友関係は貴族からゴロツキにまで及ぶ人たらし。複雑に絡み合った女性遍歴、その結果次々と生まれてくる子供たち。ギャンブル狂で借金魔、病的な秘密主義。そして祖父はかのジクムント。ただ圧倒されるだけの伝記と思いきや、泣かされた。人生の美しい終焉に。アーティストとして貫き通した真摯な姿勢に。画家への敬愛の念に満ちた書き手も素晴らしい。2016/06/19
たまきら
30
残酷なまでの観察、見るものを落ち着かなくさせるような佇まい。犠牲者・殉教者と言いたくなるようなモデルたち。徹底した秘密主義で知られた画家ルシアン・フロイド(シグモンド・フロイドの孫)の固く閉ざされた扉が死後少し開いた。彼が愛し観察し破壊した様々なものが非常にわかりやすく展開されていく。自分の作り上げた世界の完全なる支配者として君臨したこの男の醜い部分も数多く露呈されるが、根底に深い尊敬と愛情を感じる。胸が締め付けられるように優しく、けれどゴシップじみた人間フロイドの伝記だった。2019/05/17
futomi
1
精神分析のフロイドの孫で、英国の画家。本に収められた作品で初めて彼の絵を知った。男性のヌード。これは日本の美術展で観ることが叶うのかなぁ。この破天荒な生き方は今の日本で許されるかなぁ。 英国には奇人文学と呼ばれるジャンルがあるらしい。奇人が豊富なのか。生き方の選択肢が多く、奇人が生み出す実りから社会が恩恵を受けるということだ。 著者が彼の作品に初めて触れた時のエピソードもすごい。 巻末のフロイド自身のエッセイが興味深く、絵に向き合う時の大きなヒントになると思う。2016/04/16
ホワン
0
目茶苦茶面白かった。非道の限りを尽くして人生を駆け抜けた天才画家。元嫁の娘までやっちゃうんだから、三流タレント同士の不倫で芸能生命断たれる日本ではこんな人登場しようもない。2017/02/17
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