トレブリンカ叛乱―死の収容所で起こったこと 1942‐43

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  • サイズ B6判/ページ数 266p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784622079200
  • NDC分類 989.86
  • Cコード C0022

出版社内容情報

70万人以上のユダヤ人が殺害されたトレブリンカ絶滅収容所では何が起こっていたか。その実態を初めて描いた当事者による鮮烈な記録

ワルシャワ北東にあるトレブリンカ絶滅収容所ではわずか一年数ヶ月の間に70万人以上のユダヤ人が殺害された。ここでは到着後15-30分以内にほぼ全員がそのままガス殺され、運営に最低必要なユダヤ人が特別労務班として生かされていた。労務班員として生き続け、叛乱に参加・脱出した著者による本書は、今まで不明だった死の収容所の実態と生活を初めて明かす。

内容説明

70万以上のユダヤ人が殺害されたトレブリンカ収容所で、日々何が起きていたか。特別労務班員として生き続けた著者が伝える、謎に包まれた死の工場の実態。

目次

見知らぬ地へ
遺留品選別整理広場
死の収容所―上の収容所
コングレツキ
カッツァップ
グロドノ
牧師
シェドルツェ
チェンストホヴァにいた姉妹の逮捕
抱き合う姉と妹〔ほか〕

著者等紹介

ヴィレンベルク,サムエル[ヴィレンベルク,サムエル] [Willenberg,Samuel]
1923年ポーランドのチェンストホヴァ生まれ。19歳の1942年10月20日トレブリンカ収容所に収容、特別労務班員として数々の労働に従事。1943年8月2日、残されたわずかな仲間とともに叛乱を起こし、収容所の大半を放火し脱走、生還する。これがきっかけでトレブリンカ収容所は同年10月に解体された。1950年までワルシャワ、その後イスラエルに在住。トレブリンカの経験を素材に数多くの彫刻作品も発表している

近藤康子[コンドウヤスコ]
1932年大阪市生まれ。東京外国語大学フランス語科、東京大学文学部美学芸術学科卒業。コルチャック研究家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

鷺@みんさー

27
読み進むのが苦痛な読書だった。それは内容の悲惨さもさることながら、あまりにも文章が雑然としていたからである。時系列、説明、話者、何もかもがバラバラで、克明すぎる箇所とそれ以外のバランス、加えて読者があらかじめ知っておかねばならない知識など、非常に困難な内容であり、把握が難しかった。訳文も直接訳のようで回りくどく分かりにくい。著者が語ったものを文章化したものが原本だからのようだ。とはいえ、苦痛を圧して読むべき内容であるのはちがいない。事実を知ることの必要性。2021/07/19

けんちゃん

16
図書館で。絶滅収容所として、70万人以上のユダヤ人が抹殺されたトレブリンカに19歳で移送され、生き残ったサメクが語る収容所の生活、叛乱と脱出。その生々しさにあらためて戦争の、ホロコーストの悲劇を痛感する。1943年の脱出以降も続く戦い、レジスタント活動と共に戦う仲間に狙われる命、緊迫の日々を過ごしたサメクの重すぎる証言は、想像をはるかに超えていて、読み取りきれない部分も多かったと思うが、戦後70年の夏に大きな出会いを与えられた。2015/08/18

テツ

11
第二次大戦中のナチスドイツによる三大絶滅収容所の一つトレブリンカ。そこに収容され生き延びた筆者が収容所内での生活や、家族の死を知ったときの心境、叛乱による放火と脱獄などを言葉を飾り立てることなく羅列していく。この手の本を読むときに気をつけなければならないのは、ただ物語として文章を追い、時代や加害者を憎み、被害者を憐れむのではなく、自分も少しでも気を抜いたら加害者側としてどうでもいいと看做した他人に同じことをやってしまうのだという確認を忘れないこと。加害者になることだけは自らの意志で避けられるのだから。2023/08/22

はる

11
3大絶滅収容所の一つトレブリンカ。移送されたユダヤ人、社会主義者、劣等人種は先ず衣類を脱がされ、持物を奪われ髪を刈られる(絶滅収容所では元気な囚人が作業班にグループ化され囚人管理や収奪品管理に強制従事されていた)。この壮絶な記憶はカレンダーも時計もなくひたすら収奪品の選別を強いられた囚人体験に基づく。先ず収容所の知識が薄かった。さらにドイツ軍はロシアの影響から脱したいウクライナを利用し兵士による囚人管理に動員していた。2021/12/18

林克也

8
訳者あとがきの日付けが昭和90年6月、この拘りと主張はすごい。さて、自分はなぜ、ホロコースト、強制収容所の本を読んでしまうのだろうか。自分がドイツ側だったらどうしただろうか。自分がユダヤ人だったらどうしただろうか。人を殺すという行為は、はたして“慣れる”ものなのか。そして一度その閾を超えてしまえば人は他人を簡単に殺せるのだろうか。ナチス側の人間と、収容所から脱出したユダヤ人と、どちら側も他者を殺したわけであるが、自分が生き延びるために他者を殺すことは、その人の精神にどのような影響を与えるのだろうか。 2019/08/30

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