出版社内容情報
科学技術に対し高度な批判的論評を続けてきた吉岡氏と、最新技術の可能性と問題点を鋭利に分析する名和氏による、ハイレベルの社会論
科学技術論の語り手として理想的な専門家二人が鋭い思考を展開する。現代の科学技術がはらむ問題について深い討議を行なった。下記のテーマについて論じ、書き下ろし論稿を加えて構成。重要な示唆に富む知見が示される。両者の現場に通じる議論は非常に説得力がある。システムの危機に対して、私たちはどう対処していけばよいのかを考える。【テーマ】1 核施設の過酷事故/2 コンピュータ西暦2000年問題/3 SPEEDI/4 グーグル/5 放射性物質の隔離管理/6 知的財産権/7 再生可能エネルギー/8 自動機械
はじめに
【第?T部 人工物による巨大災害】
第1章 核施設の過酷事故(巨大人工物の制御)
第2章 コンピュータ西暦2000年問題(混在する人工物の管理)
【第?U部 情報システムの落とし穴】
第3章 SPEEDI(公共システムの可視化)
第4章 グーグル(私的システムのつくる社会的規範)
【第?V部 守れないものを守る】
第5章 放射性物質の隔離管理(未来世代への負債)
第6章 知的財産権(アンチコモンズの悲劇)
【第?W部 次世代技術の実装可能性】
第7章 再生可能エネルギー(インフラに対する競争政策)
第8章 自動機械(インフラの人工知能化)
【第?X部】
●新技術をめぐる誇大妄想と高速増殖炉開発の未来 吉岡斉
●信頼すなわち相互監視(情報セキュリティの迷宮) 名和小太郎
あとがき
内容説明
新技術をめぐる誇大妄想を批判する。「核施設の過酷事故」「放射性物質の隔離管理」「Google」「知的財産権」など、新しい科学・技術がはらむ問題を深く討議する。未来世代への責任を探求する科学・技術論。
目次
1 人工物による巨大災害(核施設の過酷事故―巨大人工物の制御;コンピュータ西暦二〇〇〇年問題―遍在する人工物の管理)
2 情報システムの落とし穴(SPEEDI―公共システムの可視化;グーグル―私的システムのつくる社会的規範)
3 守れないものを守る(放射性物質の隔離管理―未来世代への負債;知的財産権―アンチコモンズの悲劇)
4 次世代技術の実装可能性(再生可能エネルギー―インフラに対する競争政策;自動機械―インフラの人工知能化)
5 技術の迷宮、技術者の迷宮(新技術をめぐる誇大妄想と高速増殖炉開発の未来;信頼すなわち相互監視―情報セキュリティをめぐって)
著者等紹介
吉岡斉[ヨシオカヒトシ]
1953年、富山県生まれ。科学技術史・科学技術政策専攻。76年、東京大学理学部物理学科卒業。和歌山大学経済学部講師・助教授、九州大学教養部助教授などを経て、94年より、九州大学大学院比較社会文化研究科教授(2000年より研究院教授)。2010年3月より4年間、九州大学副学長を兼任。2011年から12年にかけて、政府の東京電力福島原子力発電所における事故調査・検証委員会(政府事故調)委員をつとめる。また原子力・エネルギー関係の政府審議会委員を1997年よりほぼ切れ目なく18年にわたり歴任
名和小太郎[ナワコタロウ]
1931年、東京下町の生まれ。東京大学理学部物理学科卒。工学博士。石油資源開発、旭化成、旭リサーチセンター、新潟大学および関西大学を経て、現在、情報セキュリティ大学院大学特別研究員。公職として国会図書館、科学技術会議、工業標準調査会、資源調査会、著作権審議会、統計審議会、文化審議会などの委員、専門委員を歴任(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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