出版社内容情報
デザインについて語る時、この語を生んだ近代を問わない訳にはいかない。用語の再検討を通し、形や美における「モダン」を考える。
近代デザインにおいて鍵となってきた用語がほとんど当たり前のように使用されているのならば、用語の背景について問い直しておく必要がある。たとえば、「造形」「構成」「形態」「空間」「表現」といった用語があげられる。今日のデザイナーがこれらの用語によって自分たちの仕事を説明しているかぎり、今日の取り組みのうちにも近代の諸前提がなお根強く残っているはずである。もちろんその理解のしかたが変化してきているとしても、それならばなおさら、何が変化していて何が変化していないかを見定めなければならない。そこで本書は、「造形」「構成」「形態」「空間」「表現」といった用語について検討することで、今日のデザイナーが意識しなくなった近代の諸前提をあらためて意識にもたらして、真に新しいデザインを構想するための足がかりとしたい。
序論
近代
|近代の意味|一九一〇年前後|近代の区分|伝統の発見|近代以後の近代|
造形
|造形の語|造形大学|工芸から造形へ|生産から交通へ|造形の解消|
構成
|構成の語|絵画の構成|非対称性|構成主義|構成教育|過去の構成|
形態
|形とは何か|形態と形式|形式主義|型とは何か|製品の形態|様式の問題|
空間
|空間の分類|空間の造形|外部と内部|展示の空間|上演の空間|平面の空間|
表現
|模倣と表現|構成と表現|表現主義|色彩と表現|技術と表現|記念碑の問題|
建築
|近代建築|普遍性|簡素さ|透明性|保存の問題|日本の近代|
文字
|近代書体|構成の理念|形象の否定|音楽の原理|対称と非対称|均質と不均質|
美学
|美学の仕事|交通とは何か|感性の交通の学|感性の論理|美学と学び|
結論
あとがき
注
図版出典
参考文献
内容説明
近代デザインにおいて鍵となってきた用語がほとんど当たり前のように使用されているかぎり、用語の背景について問い直しておく必要がある。たとえば、「造形」「構成」「形態」「空間」「表現」といった用語があげられる。今日のデザイナーがこれらの用語によって自分たちの仕事を説明しているのであれば、今日の取り組みのうちにも近代の諸前提がなお根強く残っているはずである。もちろんその理解のしかたが変化してきているとしても、それならばなおさら、何が変化していて何が変化していないかを見定めなければならない。そこで本書は、「造形」「構成」「形態」「空間」「表現」といった用語について検討することで、今日のデザイナーが意識しなくなった近代の諸前提をあらためて意識にもたらして、真に新しいデザインを構想するための足がかりとしたい。
目次
序論
近代(近代の意味;一九一〇年前後 ほか)
造形(造形の語;造形大学 ほか)
構成(攻勢の語;絵画の構成 ほか)
形態(形とは何か;形態と形式 ほか)
空間(空間の分類;空間の造形 ほか)
表現(模倣と表現;構成と表現 ほか)
建築(近代建築;普遍性 ほか)
文字(近代書体;構成の理念 ほか)
美学(美学の仕事;交通とは何か ほか)
結論
著者等紹介
高安啓介[タカヤスケイスケ]
1971年生まれ。一橋大学社会学部卒業。大阪大学大学院文学研究科博士課程修了。博士(文学)。現在、愛媛大学法文学部准教授。専門は、美学芸術学、デザイン思想史(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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