システィーナの聖母―ワシーリー・グロスマン後期作品集

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システィーナの聖母―ワシーリー・グロスマン後期作品集

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  • サイズ B6判/ページ数 388p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784622078999
  • NDC分類 988
  • Cコード C0097

出版社内容情報

『人生と運命』の作家、スターリン死後の作品を集成。社会主義体制下の困難な生と輝きを描いた歴史的証言にして20世紀文学の達成。

ワシーリー・グロスマンのほとんどの中・短篇小説を前期・後期に分けて集成。後期作品集は、著者が全体主義批判を強め、自由な思考と表現を深めていったスターリンの死(1953年)以後の作品を収める。広島に原爆を投下したアメリカ人パイロットたちを主人公に、兵士の苦悩と人道的責任の問題を描く「アベル」。戦時中、ソ連軍がナチから没収した絵画群を戦後ドイツに返還する前にモスクワで公開した展覧会で、ラファエロの聖母子像にユダヤ人絶滅収容所で会った母子を見出す表題作、死を目前にしたアルメニア旅行記など。

[第一部] 燐/アベル(八月六日)/キスロヴォーツクで/動物園/道/システィーナの聖母/ママ/永遠の休息/大環状道路で [第二部]「あなた方に幸あれ!」

内容説明

聖母子像はやがて、世界戦争の始まりを告げる水素爆弾を見るのだろうか。スターリン体制を批判し、社会から追いやられた日々にも、自由といのちの輝きを表現しつづけた作家の短篇・随想・旅行記を初集成。

目次

1 短篇小説・随想(燐;アベル(八月六日)
キスロヴォーツクで
動物園

システィーナの聖母
ママ
永遠の休息
大環状道路で)
2 アルメニアの旅(あなた方に幸あれ!(旅の手記から))

著者等紹介

グロスマン,ワシーリー[グロスマン,ワシーリー] [Гроссман,Василий]
1905‐1964。ウクライナ・ベルディーチェフのユダヤ人家庭に生まれる。モスクワ大学で化学を専攻。炭鉱で化学技師として働いたのち、小説を発表。独ソ戦中は従軍記者として前線から兵士に肉薄した記事を書いて全土に名を馳せる。43年、生まれ故郷の町で起きた独軍占領下のユダヤ人大虐殺により母を失う。44年、トレブリンカ絶滅収容所を取材、ホロコーストの実態を世界で最初に報道する。次第にナチズムとソ連の全体主義体制が本質において大差ないとの認識に達し、50年代後半から大作『人生と運命』を執筆、60年に完成

齋藤紘一[サイトウコウイチ]
1943年群馬県生まれ。東京大学理学部化学科卒。在学中に米川哲夫氏にロシア語を学ぶ。通産省入省後、課長・審議官を務める。93年退官後、ISO(国際標準化機構)日本代表委員、独立行政法人理事長等をへて現在、翻訳家。99年、通訳案内業免許(ロシア語)取得。訳書にグロスマン『人生と運命』(全3巻、日本翻訳文化賞受賞)など(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

syaori

58
後期作品集。すべての作品を貫く作者の強い倫理観と「人間的なもの」に対する信念に、心震えずにはいられません。作者は友情を語りながらラーゲリに収容された友人に手を差し伸べない人間の欺瞞や、強制収容所のガス室に消えた人々から夫の不倫に悩む妻までそれぞれ特別で常に辛いものである人間の運命を透徹した目で見通しますが、同時にそれらを通して語られる「素晴らしいもの」である命の「多様性と豊かさを確信し」、「典型的であることのもつ貧しさをはねのけ」ることで獲得される真の人間的尊厳・自由の勝利への信念に胸が熱くなりました。2022/04/21

miyu

35
グロスマン後期作品集は短篇と旅行記。「燐」「動物園」「大環状道路で」が心に残った。特に「大環状道路で」のマーシャの視点が入院前後で微妙に変わるラストに唸る。タイトル作は個人的にラファエロの聖母子画が好みではないので手放しの讃美にむしろ戸惑う。アルメニア舞台の旅行記が印象的。エゴヤン「アララトの聖母」くらいの知識しかないのが無念だが短篇より逆にこちらが面白かった。最晩年のグロスマンが1つの旅を通して自身の生涯で目にし感じいったことの集大成のように思われ「あなた方に幸あれ!」というタイトルと共に大変感慨深い。2017/09/10

かわうそ

33
戦争と人間に対する深く誠実な思索の重厚さ・力強さに圧倒されて素晴らしいという言葉でも全然足りないぐらいとにかく凄い作品集だった。著者による他の小説も是非読んでみたい。2015/11/26

きゅー

23
あまりにも素晴らしい一冊で言葉が出ない。「考えること、それが自由なのである」という彼の言葉はあまりにも雄々しく、気高い。白眉はタイトルにもなっている「システィーナの聖母」だろう。人類に長い歴史があろうとも、個々の人間の運命は繰り返されるものではないこと、そして人間の中にある人間的なものは決して壊されないことを切々と語りかけてくる。何度も折にふれてこの短篇を思い出したくなる。2015/08/21

柳瀬敬二

16
グロスマンがスターリン死後に書いた短編中編作品を集めたもの。グロスマンが書き上げた大著はいずれもその思想的危険性から改変・没収の憂き目に合い、作家としては不遇のままその生を終えた。独ソ戦の最前線でその惨状を目の当たりにしてもなお、グロスマンは人間の尊厳と自由を訴えるためにペンを持ち続けた。『人生と運命』のような極限状況で生きる人々を書いた作品はないが、それでも作品全体から重さが抜けないのは、グロスマンが生きた時代とロシアの大地が流した血の重さゆえだろうか。2015/12/17

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