写真講義

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  • サイズ A5判/ページ数 243,/高さ 21cm
  • 商品コード 9784622078364
  • NDC分類 740.4
  • Cコード C0072

出版社内容情報

「モランディのアトリエ」の写真で知られるルイジ・ギッリ。写真の歴史から自作の技術まで、全13講。作品他253点をカラー収録。

現代イタリアを代表する写真家ルイジ・ギッリ(Luigi Ghirri, 1943-92)。 アメリカでニューカラーやニュー・トポグラフィーが登場する以前から同様の感覚を持つ写真を撮影、日本では「モランディのアトリエ」の写真で知られる。濃密なまでの透明感をたたえる写真を撮りつづけたギッリが、カメラの基本から自作の技術までを教える全13講。写真家自身が丁寧に写真史・写真論を語る類稀なる写真の教科書であると同時に、日本で初めて本格的にギッリ作品を紹介する写真集でもある。作品他253点をカラー収録。

内容説明

捨てられない絵葉書のような、密やかなイメージを撮りつづけた写真家ルイジ・ギッリ(1943‐1992)。その何気ない一枚の背後には、イメージに捉われ、イメージを通して思考する理論家ギッリがいる。自らの撮影技術を丁寧に示しながら、写真の魅力を熱く静かに語りかける。イタリア写真界の無名の巨匠がのこした最後の授業。

目次

好事家かもしれない私の情熱
自分を忘れる
探究
カメラ
実習
露出
「見えていたように撮れていない」
歴史
透明さ
敷居
自然のフレーミング
光、フレーミング、外部世界の消去
音楽のためのイメージ

著者等紹介

ギッリ,ルイジ[ギッリ,ルイジ] [Ghirri,Luigi]
1943‐1992。レッジョ・エミリア県スカンディアーノ生まれ。写真家。コンセプチュアル・アーティストたちとの共同制作をきっかけに写真を始める。アジェ、ウォーカー・エバンス、アンドレ・ケルテスらの影響を受け、1973年より本格的に写真制作に向かい、実験的な写真表現を探究。1980年以降は、主にイタリアの風景と建築、とりわけ生涯暮らしたレッジョ・エミリア周辺の風景をテーマに活動。建築家アルド・ロッシとの共同制作や画家ジョルジョ・モランディのアトリエ撮影など、室内のテーマにも取り組んだ。1977年には出版社Punto e Virgolaを設立。1992年急逝。享年49

萱野有美[カヤノユウミ]
1975年千葉県生まれ。東京外国語大学外国語学部欧米第二課程(イタリア語)卒業。京都大学大学院人間・環境学研究科修士課程修了(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

飯田健雄

35
読みました。写真には全く興味がなかったけれど、わかりやすく丁寧な説明で、かつ面白かった。10万円程度の一眼レフ買ってみようかな。2019/02/01

Koki Miyachi

8
1989年から1990年にかけて大学で行われたルイジ・ギッリの講義記録。録音を時系列に沿って書き起こしたもの。1992年に亡くなる前のほぼ最後に近い講義と思われる。穏やかな色調、光を捉える確かな目、ハッとさせられる大胆な構図。彼の写真はとても魅力的だ。彼の講義はその作風を思わせるように、深い洞察と思索に裏付けら確固たる信念に基づいている。教室の中で自分に語りかけてくるように感じられ、心にスッと入ってくる。自分が持っていなかった数多くの豊かな視点や考え方を知った。写真の真髄を伝えてくれる最高の講義だった。2017/05/26

うた

7
須賀さんの全集で馴染みのあるルイジ・ギッリの写真講義。ギッリ自身が言うとおり、鮮やかさや衝撃はないが、不思議と目を吸い寄せられる写真たち。敷居や自然のポートレイトなど、独特の言い回しを交えながらも、初心者を意識した助言、レンズはまず50mm、絞りはF5.6からなど、意外と親切な講義である。なにぶんお高い本ではあるが、見かけることがあれば一度手に取られることをおすすめします。2015/08/25

ひかり

6
一人の写真家が、世界を見る写真の方法について講義する。フレーミングを選ぶことは、表現方法について研究することであり、現実にあるひとつの現実を発見するという奥深い作業なのだと言う。イメージに対する探究の種類はさまざまで、とても面白い。ものはどう見られなくてはならないか。訪れた時感じる場所の雰囲気が、光が、示唆を与えている。「彼を惹きつけたものは、部分的なもの、ばらばらなもの。空間にある点の、無限の違いを示すものすべて、世界のイメージによる画一化から逸脱するものすべて…」2021/02/25

geoff

2
著者の哲学が文章、写真から静かに伝わってくる。世界を自分の美学に沿って加工するような写真家の姿勢を彼は批判し、自分と外的世界との「均衡点」を見つけるよう奨める。確かに、訳者も指摘するように、彼の写真には我を主張するものがない。しかし、それは現実の忠実なコピーでもない。言葉では説明しづらい魅力が彼の写真にはあると思う。写真を、閉じられたものとしてでなく、他の表現との関連の中で扱おうとする姿勢も面白い。レコードジャケットの下りも個人的には楽しめた。2021/08/21

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