内容説明
ワイマール体制下、議会制民主主義を批判し、独裁理論を考察しながら、ドイツの新しい政体を模索した問題の書。
目次
第1章 民主主義と議会主義(民主主義的思考の規準をなす同一性の観念と、政治的現実の中でそれらの観念の代位をなす様々な同一化現象)
第2章 議会主義の諸原理(公開性と討論;三権分立と均衡;純粋の議会主義の法概念;議会主義的思考の相対的合理主義)
第3章 マルクス主義思想における独裁(独裁と弁証法;マルクス主義の形而上学的明証;プロレタリア独裁における合理主義と非合理性)
第4章 議会主義の敵・直接的暴力行使の非合理主義的諸理論(ジョルジュ・ソレルにおける神話の理論;ブルジョアについての神話的イメージ;ボルシェヴィズムとファッシズムの対立において現われた階級闘争神話と民族神話)
著者等紹介
シュミット,カール[シュミット,カール] [Schmitt,Carl]
1888‐1985。ドイツの公法学者。ベルリン、ミュンヒェン、シュトラースブルクで学び、1916年「国家の価値と個人の意義」で教授資格取得。同年『テーオドア・ドイブラの「北極光」』発表。21‐28年ボン大学教授、28‐33年ベルリン商科大学教授、33年ケルン大学教授を経て、33‐45年ベルリン大学教授。第一次大戦後のドイツ、ヨーロッパにおけるヴァイマル体制、ヴェルサイユ体制を批判し、神的なものを欠いた思想状況に“決断”をくだすべき独裁者の必然性を示したり、敵と味方を峻別する“政治”概念を規定する
稲葉素之[イナバモトユキ]
1933年に生れる。1956年東京外国語大学卒業。1959年東京大学文学部倫理学科卒業。1962年同大学大学院修士課程修了。元愛知教育大学助教授。1971年死去(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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