出版社内容情報
多元主義的精神医学の具体的方法とは? 生物心理社会モデルの興隆を中心に描く精神医学の今後。『現代精神医学原論』の著者の第二弾
内容説明
精神医学は今のままでよいか。「生物心理社会折衷主義」が生んでいる弊害や、エヴィデンスに基づく医学を徹底的に批判し、あるべき医学的“知”を問う。『現代精神医学原論』の著者が放つ第二弾。
目次
第1部 生物心理社会モデルの興隆(寛容さに潜む危険―アドルフ・マイヤーの精神生物学;理論はたくさん、時間はちょっと―折衷主義の興隆;四方八方に奔走する―ロイ・グリンカーによる「折衷主義のための奮闘」;医学の新しいモデル―ジョージ・ユンゲルの生物心理社会モデル;登場前と登場後―生物心理社会モデルの先駆者たちと後継者たち;停戦―精神医学内戦を調定する)
第2部 生物心理社会モデルの衰退(データに溺れる;折衷主義を教える;薬物療法のゆがみ;現実世界の気まぐれ)
第3部 次に来るものは?(エヴィデンスに基づく医学(EBM)の限界
オスラーの亡霊
二つの文化
意味の意味
解決の始まり―メソード・ベイスドの精神医学
精神医学の新しいヒューマニズム)
著者等紹介
ガミー,ナシア[ガミー,ナシア][Ghaemi,S.Nassir]
1966‐。イラン生まれ。タフツ医療センター精神医学教室教授。医学博士。双極性障害(躁うつ病)、不安障害の臨床研究を専門とするが、哲学、公衆衛生学にも造詣が深い。2001年には哲学の修士号(タフツ大学)を取得
山岸洋[ヤマギシヒロシ]
1958年長野県生まれ。京都大学医学部卒業。現在、公益財団法人田附興風会医学研究所北野病院精神科部長、京都大学医学部臨床教授。専門は臨床精神医学、ドイツ精神医学史
和田央[ワダヒサシ]
1963年大阪府生まれ。京都大学医学部卒業。現在、京都府立洛南病院院長。専門は臨床精神医学、司法精神医学
村井俊哉[ムライトシヤ]
1966年大阪府生まれ。京都大学大学院医学研究科修了。医学博士。マックス・プランク認知神経科学研究所、京都大学医学部附属病院助手などを経て、京都大学大学院医学研究科精神医学教室教授。専門は臨床精神医学、行動神経学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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