最悪のシナリオ―巨大リスクにどこまで備えるのか

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  • サイズ B6判/ページ数 313,/高さ 20cm
  • 商品コード 9784622076995
  • NDC分類 369.3
  • Cコード C1036

出版社内容情報

大規模災害など破滅的な影響を及ぼすリスクに対しどのように向き合うべきか。予防原則と費用便益分析の狭間で粘り強く考察

内容説明

壊滅的で取り返しのつかない大惨事にどう対峙すべきか。リスク認知の心理学をふまえつつ、予防原則と費用便益分析を緩やかに両立させた法学/経済学の成果。

目次

第1章 テロと気候変動(安全か危険か;対極的な二つの事例 ほか)
第2章 二つの議定書の話(オゾン層破壊;CFC規制の費用と便益 ほか)
第3章 大惨事(予防原則;弱い予防原則、強い予防原則 ほか)
第4章 不可逆性(オプション価値、使用価値;基本的な議論 ほか)
第5章 金銭的価値(金銭価値化への批判;的外れな予防措置? ほか)
第6章 将来(さまざまな見解;選好を根拠とする ほか)

著者等紹介

サンスティーン,キャス[サンスティーン,キャス][Sunstein,Cass R.]
1954年生まれ。法学者。専門は憲法、行政法、環境法。27年にわたりシカゴ大学ロー・スクールで教鞭を執り、ハーバード・ロー・スクール(休職中)を経て、現在は米国大統領府の行政管理予算局下に置かれる情報規制問題局の長官を務めている。法学と行動経済学にまたがる領域から、リスク評価、予防原則、費用便益分析まで、多数の著作が示されている関心の幅は広い

田沢恭子[タザワキョウコ]
翻訳者

齊藤誠[サイトウマコト]
1960年生まれ。京都大学経済学部卒。マサチューセッツ工科大学経済学部博士課程修了(Ph.D)。住友信託銀行調査部、ブリティッシュ・コロンビア大学経済学部助教授などを経て、一橋大学大学院経済学研究科教授。2007年に日本経済学会・石川賞、2010年に全国銀行学術研究振興財団賞を受賞。著書『資産価格とマクロ経済』(日本経済新聞出版社、2007、毎日新聞社エコノミスト賞受賞)『原発危機の経済学』(日本評論社、2011、石橋湛山賞受賞)ほか(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

yooou

7
☆☆★★★ 天変地異、地震や隕石の落下なんかと薬害や企業の廃棄物汚染、ましてテロ攻撃を同列にリスクとみている考え方に激しく違和感を覚えた。費用便益分析を用いて無駄で過剰な予防はしないとか、リスク分析は専門家に任せろとか、そんなだから福島の原発はこんな事態になったんだろーがと。国が企業のように考えたら世の中がおかしくなるよという意味で非常に示唆的でありました。2012/10/06

壱萬弐仟縁

4
個人、家族、地域、国家、世界の各要素で最悪の事態とは、健康被害、家族離散、コミュニティ崩壊、国民国家の瓦解、世界戦争などだろうか。環境難民を生む気候変動も大きな現代的課題(第1章)。第3章において「壊滅的損害の予防原則」が提起されている。リスクを排除するために特別な措置をとることには意味がある(126ページ)。ここはゴシック太字になっている。リスク社会はベックが言っていたことばであるが、そのリスクを極小化するには、特別な対応が求められるのはわかる。壊滅的な損害とは、原発事故であるが、リスクの期待値は重要。2012/11/10

まめタンク

2
2020年248冊目。2020/09/03

O. M.

2
定量化が難しい「最悪のシナリオ」(ケースとして地球温暖化やテロ対策などを想定)に対して、政策当局者は対策をどう評価すべきかについて論じています。私の理解で結論をざっくり言うと、損害の規模と発生確率から導かれる損害の「期待値」を出来るだけ定量化しましょう(分からないからと言って盲目的に対策したり、過度に軽視したりせず)ということ。本書の説明は時にくどいと感じることもありますが、知らない人にちゃんと説明するには、ここまで丁寧にやる必要があるのでしょうね。大変勉強になりました。著者の本は、他も読んでみたいです。2019/01/05

Kazuha Harada

0
授業で扱った。予防原則批判論者として有名なサンステーンだがそこまで無茶なことは言ってないという印象。これからサンステーン批判を読みます。

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