出版社内容情報
なぜ学生運動が、なぜ1968年に世界中で起こったのか。米・仏・独・伊・英、日本、東欧諸国の出来事を丹念に追い考察した重要作。
内容説明
なぜ学生が、ほぼ世界同時に、反乱を起こしたのか?フランス、アメリカ、ドイツ初め日本を含む各国の詳細な分析を通し「1968」を世界史の中に位置づけた快作。
目次
パリ、一九六八年五月
1章 はじめにはアメリカがあった
2章 ドイツ固有の道?
3章 西側世界での抗議運動
4章 東欧での運動
5章 なんだったのか、なにが残ったのか
著者等紹介
フライ,ノルベルト[フライ,ノルベルト][Frei,Norbert]
1955年フランクフルト・アム・マイン生まれ。1979年、ミュンヘン大学で博士号取得。1979年から1987年、ミュンヘン現代史研究所所員。1997年から2005年、ボーフム・ルール大学教授。現在はフリードリヒ・シラー大学イエーナの近現代史担当教授。同時にこの間、1985年から1986年にハーバード大学フェロー、1995年から1996年にベルリン科学コレークのフェロー、2004年にエッセン文化科学研究所フェロー、2007年にハンブルク社会研究所客員研究員を歴任
下村由一[シモムラユウイチ]
1931年生まれ。東京大学大学院修了。千葉大学名誉教授。ドイツ近現代史専攻(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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takao
1
☆1968年5月パリの五月革命に始まった政治的自由を求める運動が西欧に 2018/02/18
moco*
0
1968年前後に各国で起きた学生の反乱に関する本。様々な国の比較が興味深い。特に、他の国と比べた際の日本の学生運動に関する記述は非常に楽しく読めた。タイトルに比して、著者の専門であるドイツに記述が偏りがちなきらいはあるが(特に最終章は期待していただけあって残念)、ナチズムという「克服されざる過去」との対峙という、ドイツ特有の事情と運動との関連はなるほど、と思わせた。ドイツの部分は初見の内容が多くて充分に理解できなかったため、また時間をおいて再読したい。2013/03/13
林克也
0
この本を読んでいる最中の8月21日にスコット・マッケンジーが死んだ。巡り合わせを感じる。1968年、このとき小学校3年生。今、思い出してみると印象の薄い年だった。担任の顔も名前も忘れているし、出来事も思い出せない。で、世界にとって1968年は何だったのか。「六八年は四十年後のいまも解釈されつくしていない、それはまだ動いている、依然として歴史であるというよりも現代である、というにはかならない。」2012/11/12
最終バック九番手
0
原著は2008年刊行…主にドイツでの出来事を中心にアメリカや日本での学生運動についても触れられている…戦後はナチス関係者が全部追放されて明治維新みたいにそっくり入れ替わった新体制でやっていたとばかり思っていたがそれは誤解だったということが分かっただけでも読んだ価値があった…参考文献:あり…索引:あり…発行:2012年4月20日…本体3600円2012/07/24