出版社内容情報
『ピアノ・ノート』の著者が、大テーマに切り込む。バッハからベルクまで、作曲家は聴き手の感情を波立たせる名曲をどう作ったのか?
おなじ著者の『ピアノ・ノート』(¥3200 ISBN978-4-622-07489-2)は2009年に刊行して大ヒット。現在10刷でロングセラーに仲間入りした。
今回は、ローゼンがこれまで出してきた大著小著とは趣がちがって、一見途方にくれるようなテーマに鮮やかに切りこむ。バッハからアルバン・ベルクまで、クラシックの作曲家たちはどのようにして、聴き手の感情を波立たせたる美しい曲を作ったのか。 たとえばベートーヴェンのピアノ協奏曲第5番「皇帝」最終楽章。最初に複雑なリズムのファンファーレ、次に一転して素朴なドイツ舞曲のリズム。この対照的な感情が徐々に小さな物語へと積みあがっていく。ところが著者によると、この方法は18世紀半ばまで存在せず、ベートーヴェンの死後は消滅して、別の方法が生まれたという。 心憎いほど音楽を知り尽くしたピアニスト・批評家が、古典派以前からロマン派以後まで、名曲がいかに繊細な感情表現から成り立つか、その秘密と変遷を具体的に語る。「驚きなのは、緻密な分析と専門的なアプローチをしながら、みごとに感動的なことだ」(『ガーディアン』紙評)。
さらに本書には、愉しいエッセイも。2010年秋に雑誌「みすず」に紹介されて吉田秀和氏が絶賛した、ショパン生誕二百年を祝うエッセイ「ハッピーバースデー・ショパン!」と、翌2011年掲載のシューマン生誕二百年記念のエッセイ「ハッピーバースデー・シューマン!」の二編を収録し、おくる。
内容説明
バッハからベルクまで、クラシックの作曲家はどのように聴き手の感情を波立たせる名曲を作ったか。音楽を知りつくした『ピアノ・ノート』の著者が語る奥義。
目次
1 複合的なシグナルの意味を決めるということ
2 古典派以前
3 対立しあう情緒―古典派
4 ハ短調様式
5 ベートーヴェンの拡張
6 ロマン派―音の強さ
7 執拗さ―ロマン派以降
著者等紹介
ローゼン,チャールズ[ローゼン,チャールズ][Rosen,Charles]
1927年ニューヨークに生まれる。コンサート・ピアニスト、音楽批評家・理論家。4歳でピアノを始め、11歳でジュリアードを中退、モーリツ・ローゼンタールに師事する。1951年プリンストン大学で博士号取得(フランス文学)。これまでにニューヨーク州立大学、オクスフォード大学、ハーバード大学、シカゴ大学などで教鞭をとる(フランス文学ほか)。『ニューヨーク・レビュー・オブ・ブックス』に定期的に執筆
朝倉和子[アサクラカズコ]
ピアニスト、翻訳家(SWET会員)。訳書ブラッドレー・マーティン『北朝鮮:「偉大な愛」の幻』(全2巻、青灯社、2007。毎日新聞アジア太平洋賞特別賞受賞)他(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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