出版社内容情報
利他行動の進化の謎をめぐる飽くなき探究の歴史を、謎の鍵を握った科学者の数奇な生涯とともに描くスリリングな科学ノンフィクション
内容説明
熾烈な生存競争と淘汰のもとで、なぜ他者を利する行動が生じたのか?本書は哲学的テーマをはらんだ重厚な科学ノンフィクションであり、その謎を追い求めた末にホームレスとして死んだ異端の科学者ジョージ・プライスの驚愕の伝記でもある。第1部では、メイナード・スミス、フィッシャーら巨星たちが織りなす波乱の科学史をたどる。第2部は進化学史と伝記が合流するところから始まる。プライスが導いた淘汰の方程式は、利他行動の理論に待望の普遍的定式を与え、「多層レベル淘汰」という大きなダイナミクスをも見渡すものだった。進化生物学の哲人ビル・ハミルトンとプライスの交流の記録も胸を打つ秀作。
目次
第1部(戦争か平和か;ニューヨーク;淘汰;放浪;友好的なヒトデと利己的なゲーム;奮戦;さまざまな解決策;容易な道はない)
第2部(ロンドン;「偶然の一致による」回心;「愛の」回心;清算;利他行動;最後の日々)
著者等紹介
ハーマン,オレン[ハーマン,オレン][Harman,Oren]
バル・イラン大学(イスラエル)大学院、科学・技術・社会研究部門主任教授。ヘブライ大学、ハーヴァード大学、オックスフォード大学で歴史学と生物学を修め、大学で生物学史とライティングの教鞭をとる傍ら、執筆活動をしている。The Price of Altruism(W.W.Norton,2010)(Bodley Head/Random House,2010)はロサンゼルス・タイムズの2010年度の出版賞で科学技術部門の最優秀賞を受賞し、ピュリツアー賞にもノミネートされた
垂水雄二[タルミユウジ]
1942年大阪に生まれる。京都大学大学院理学研究科博士課程修了。出版社勤務をへて1999年よりフリージャーナリスト(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
メルセ・ひすい
EnJoeToh
tuppo
mononofu
中年サラリーマン