出版社内容情報
1日に、手に入るのはたったの2ドル。それもいつ、手に入るのか分からない。世界の貧困層の金融生活を初めて具体的かつ実証的に紹介
バングラデシュの首都ダッカ。スラムに住むカデジャは子どもの世話をしながら、裁縫の内職で収入を得ている主婦。そして、近所の主婦ふたりから大事なお金を預かる〈マネーガード〉でもある。
インド南部ヴィジャヤワーダ。ジョティの生業は、毎日スラムをまわって、顧客の主婦から少額の預金を集めること。商売道具はマス目の書かれた手作りの通帳。220日分が埋まったとき、彼女はそのうちの20日分を顧客から手数料として徴収する。盗まれるかもしれない、夫に使われてしまうかもしれないお金を守り、子どもを学校に通わせてあげるための唯一の方法だ……。
最貧国の家計は、収入の「少額」「不定期」「予測不可能」という三重の困難に取り巻かれている。本書は〈ファイナンシャル・ダイアリー〉という聴き取り調査を、分厚く積み重ねた研究の成果であり、貧しい人々が編み出した創意工夫の数々をルポルタージュとも言える筆致で描きながら、マイクロファイナンスやインフォーマル金融の実態を分析する。さらに、「信頼性」「利便性」「柔軟性」「構造」という原則を提示して、貧困からの離陸のために金融になにができるのか、新たな道筋を示す。
内容説明
貧しさのなかで懸命に暮らす人々の日々のやりくりとは?経済学の最新成果が丹念に明かす、マイクロファイナンスなどの実態と、貧困削減への新たな処方箋。
目次
第1章 貧困者のポートフォリオ
第2章 骨の折れる日々
第3章 リスクに対処する
第4章 こつこつと積み上げる―まとまった資金を作る方法
第5章 お金の値段
第6章 マイクロファイナンス再考―グラミン2ダイアリー
第7章 よりよいポートフォリオへ
著者等紹介
モーダック,ジョナサン[モーダック,ジョナサン][Morduch,Jonathan]
ニューヨーク大学教授。低所得者への質の高い金融サービスの拡大を目指す経済学者の集合体であるファイナンシャル・アクセス・イニシアティブのマネージング・ディレクター
ラザフォード,スチュアート[ラザフォード,スチュアート][Rutherford,Stuart]
バングラデシュのマイクロファイナンス機関であるセーフセーブの創設者
コリンズ,ダリル[コリンズ,ダリル][Collins,Daryl]
元ケープタウン大学講師。現在はバンカブル・フロンティア・アソシエイツのシニアアシスタント。南アフリカでの直近のダイアリー調査を主導
ラトフェン,オーランダ[ラトフェン,オーランダ][Ruthven,Orlanda]
オクスフォード大学で国際開発のPhDを取得。英国国際開発省との調査コンサルタント業務の後、現在はインド在住
野上裕生[ノガミヒロキ]
1961年生まれ。一橋大学大学院経済学研究科修士課程修了。日本貿易振興機構アジア経済研究所勤務
大川修二[オオカワシュウジ]
1961年生まれ。翻訳家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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