出版社内容情報
15歳で初めて山に出会った。以来、登山家、山岳ガイドそして写真家と、ひたすら自己表現の舞台として山に賭けてきた著者渾身の自伝
内容説明
生きている意味と充実感を求めて、一人で岩と雪の山へのめり込んだ日々。自分にしか撮れない写真をめざして、北から南へ日本中の山を旅する日々。山に賭けてきた45年間の自叙伝。
目次
1 反発(横浜に生まれ育って;最初の目標;山、何のために)
2 山に描いた夢(どん底のスタート;黒部川の沢の地域研究;僕の青春、どこにある;冬の南アルプス全山縦走;冬の知床半島全山縦走;最初の著書、そして黒部へ)
3 可能性探しの旅(写真家宣言;日本の幻の滝を旅する;屋久島をめぐって;白神に通って)
著者等紹介
志水哲也[シミズテツヤ]
写真家、登山ガイド。1965年横浜市生まれ。登山家として国内外に記録をもつ。1997年に黒部に魅せられ富山県黒部市に移住。1996年から山岳ガイド。2002年から写真家としてプロ活動を開始する(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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つちのこ
34
三部作『大いなる山、大いなる谷』『果てしなき山稜』『黒部へ』を読んだのは20年以上も前。今読み返しても色褪せない。大井川、黒部川の全沢の単独遡行、厳冬期の知床連山、日高山脈縦走など、ストイックなソロクライマーとしての活動はおそらくこの先も破られることがない前人未到の記録である。本書は三部作の内容と重複する箇所も多くあるが、後半の写真家として夢を追う章に入ると、挫折を越えた自信と躍動感に満ちた人生観が語られていく。家族や多くの人々との出会いも彩を添え、次のステップに向かって力強く輝く人生が見て取れた。2023/11/27
メルセ・ひすい
3
15-36 ★5 「人生が ゙光゙ならば、力強く輝きたい。生きることが ゙闘ゔことならば、微動だにしないポリシーで闘いたい。゙夢゙ ならば……永遠にさめないでほしい」。 ★゙夢゙ を追い続けること! それはそうさ、現実からの逃避行……思い悩み、葛藤のなかをもがくっ 生きている意味と充実感を求めて、ひとりで岩と雪の山へのめり込んだ日々…。一途に前を向き、己れの可能性を探してきた、16歳で山に出会った。「死んでも登る」が口癖だつた20代、黒部川の全支流遡行。冬の南アルプスや知床半島全山縦走、北海道冬期縦断…2011/06/18
ressenti-man
2
登山家としての挫折の瞬間が描かれた稀有の書と言えるのでは。写真家としての限界も見極めてしまったような言で閉じられるが、登山家としても写真家としても成果を挙げた活力に満ちた人だけに、今後の活動も楽しみ。挫折を越えても生気に満ちた暮らしを続けるための何かを教えてくれるような気がする。2011/10/30
ターさん
1
写真家、志水哲也氏の自叙伝である。何とも壮絶な山に対する態度なのだろうか。「死んでも登る」と言い放ち、冬の南アルプス全山縦走、冬の知床半島全山縦走、黒部川全支流遡行---。まさに「死の匂い」がする。そこまでやらなければならない登山というものは、いったい何なのだろうか。この夏、何十年振りかで黒部源流を訪ねた。晴天の空の下、黒部川の清らかな水が渓を流れ落ちていく。周囲では高山植物は咲き、高山蝶が飛んでいた。この渓を下り、十字峡を左に行けば、あの剱大滝だ。それが存在する限り、行かねばならないと思う人がいるのだ。2020/11/28
Tadashi Totsuka
1
高校生の時の24日間の南アルプス縦走、42日間の北アルプス縦走。とにかくやり遂げる力は並大抵のものじゃないですよね!NHKの正月番組の幻の大滝に挑むも見ましたが、物凄い迫力でした。写真家に転じてからも一つのことに一直線に進む姿は好感がもてます。夢を追い続けるってすごいですね! 2014/09/09