愛、ファンタジア

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  • サイズ B6判/ページ数 351p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784622075950
  • NDC分類 953
  • Cコード C0097

出版社内容情報

アルジェリアを代表する女性作家の最高傑作。アルジェリア独立戦争を舞台に文化の衝突と少女の運命を活写。リチャード・パワーズ絶賛

内容説明

舞台はアルジェリア。「ファンタジア」とは北アフリカに古来から伝わる、戦闘を模した騎馬芸のことだ。疾駆する騎馬、いっせいに空に向けて銃を放つ騎士たち、それにあわせ女たちがあげる鋭い叫び声。様々な声が絡み合うファンタジアの形式を模して、物語はギャロップのリズムのように自在に、一世紀以上にわたるフランスのアルジェリア占領から独立後までをたどる。文字を覚えひそかに男たちと手紙をかわす少女たち、自らの殺戮の記録を書きとめる征服者、伝統的価値観に生きる女たち…。さまざまな人物の声が響き合い、声の連鎖はやがて歴史の壮大なアラベスクとなり、読む者を圧倒する。これは、無数の声による自伝なのだ。20歳で「アルジェリアのサガン」といわれ、近年はノーベル賞候補となり話題を集める作家が、イスラームとヨーロッパの衝突と個人の運命を圧倒的な筆力で活写。リチャード・パワーズも絶賛した傑作長篇。

著者等紹介

ジェバール,アシア[ジェバール,アシア][Djebar,Assia]
イスラーム圏を代表する作家・映像作家。本名ファーティマ=ゾフラー・イマライェーヌ。1936年フランス植民地支配下のアルジェリア・シェルシェルに生まれる。当時のアルジェリア女性のなかで例外的に高等教育を受け、1955年フランス・セーヴルの女子高等師範学校にアルジェリア女性としてはじめて入学。1956年、独立を要求する在仏アルジェリア人学生の授業ボイコットに賛同し、試験を放棄。同年、20歳のときにアシア・ジェバールの筆名で小説『乾き』を発表、「アルジェリアのサガン」といわれる

石川清子[イシカワキヨコ]
千葉県に生まれる。ニューヨーク市立大学大学院仏語仏文学Ph.D取得。現在、静岡文化芸術大学教授。フランス近現代文学、フランス語圏文学専攻(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

スミス市松

12
アルジェリアの地で立ちのぼる「無数の声による自伝」。きわめて音楽的かつ階調的構造となっており、第一部では語り手のフランス語との出会いとアルジェリア対フランスの侵略的接触を交互に織り交ぜて書き言葉=手紙の言語をめぐる物語が展開されるが、第二部ではその手紙の言語は抵抗民の口承的物語に食い尽くされ、書くことの限界が示される。そして第三部では虚空に立ち消える女性たちの悲歌や抵抗の叫びを「アラベスク」として織り直し彼女たちの忘却に抗しつつも、一方で侵略者の言葉で寄り添うことが許されるのかという葛藤が前景化していく。2019/07/31

belier

2
アラビア語とベルベル語を母語として育ち、フランス語を学校で学んだアルジェリア人女性の小説。歴史小説と自伝的小説を混ぜ合わせたようでいて、多声的でもある、まか不思議な小説。一貫した筋などなく決して読みやすくはないが、不思議な気持ちよさを読書中は感じた。それは、ほかでは読むことのができない異世界を体感できるからだろう。とくに洞窟の煙攻めの章は、荘厳で悲劇的な美しい叙事詩であった。文章のリズムも心地よかった。2014/02/01

isbm

1
★★★☆2021/08/09

工藤 杳

0
歴史を貫く重厚で密な(かつパーソナルな)物語。2017/05/06

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