内容説明
政治にも経済にも、社会にも教育にも、不安と危機という語がまとわりつく現代。その多面的理解のために学ぶべき著作は何処に?歴史家が指し示す書物の海図。
目次
中年男の憂鬱な挑戦―松浦寿輝『半島』
孤独なリアリストの肖像―ハスラム『誠実という悪徳』
激動の時代を独特の感性で―藤村信『歴史の地殻変動を見すえて』
日本統治と「維新クーデタ」の実像を解剖―木村幹『高崇・閔妃』『民主化の韓国政治』
二十一世紀外交のあるべき姿―細谷雄一『外交』
イスラエル、アラブ首脳の人物像―ハレヴィ『モサド前長官の証言「暗闇に身をおいて」』
北朝鮮に有効なのは「無視」―重村智計『朝鮮半島「核」外交』
教養知にあふれた挑発―佐藤優『国家論』
イスラームに共感できる部分―ローレンス『コーラン』
中東の多面的理解のために―ダバシ『イラン、背反する民の歴史』〔ほか〕
著者等紹介
山内昌之[ヤマウチマサユキ]
1947年札幌生まれ。北海道大学文学部卒業。現在、東京大学大学院総合文化研究科教授。学術博士(東京大学)。専攻は国際関係史とイスラーム地域研究。著書『現代のイスラム』(発展途上国研究奨励賞)、『スルタンガリエフの夢』(サントリー学芸賞)、『瀕死のリヴァイアサン』(毎日出版文化賞)『ラディカル・ヒストリー』(吉野作造賞)、『岩波イスラーム辞典』(編著・毎日出版文化賞)他。2002年司馬遼太郎賞受賞、2006年紫綬褒章受章(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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KAZOO
91
山内昌之さんの書評集で再読です。80冊弱の本の様々なメディア(主に雑誌や新聞など)に発表されたもので著者の真摯な姿勢が伝わってきます。分野的にはご専門の中東やイスラム関連の本の書評が多いのですが小説なども結構多く収められています。飯嶋和一、モーム、福永武彦、塩野七生、司馬遼太郎などの作家です。これらの作家の本は私も読んだことがあって、書評を見ると参考になるのですが、やはりじっくり読んでいる気がしました。少し見習わなければと思います。時たまこのような本を再読するのも反省の材料が出てきて良いものですね。2022/10/24
中島直人
4
山内昌之さんの書評集。主に中東関係の本を読みたくなって、読む本に困った時には参考にさせて頂こう。2014/12/09