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よくできた女(ひと)

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  • サイズ B6判/ページ数 353p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784622075615
  • NDC分類 933
  • Cコード C0097

内容説明

舞台は、また食料配給がつづく戦後のロンドン・ヒロイン兼語り手のミルドレッドは30過ぎの独身女性。両親の残してくれたささやかな収入に頼りつつ、パートタイムで働く彼女は、親しい牧師姉弟や旧友と交流したり、教区活動に加わったりしながら平穏な生活を送っている。そんな彼女の住むフラット上階に、文化人類学者のヘレナと海軍将校の夫が引っ越してきた。美人で魅力的だが家事はさっぱりのヘレナと、ハンサムで女たらしのロッキーという「華のある」夫妻の登場で、ミルドレッドの静かな生活に波風が立ちはじめる。著者の代表作にして「おひとりさま」小説の傑作、待望の翻訳。

著者等紹介

ピム,バーバラ[ピム,バーバラ][Pym,Barbara]
1913‐1980。イングランド・シュロップシャー州のオスウェストリーに生まれる。オックスフォード大学セント・ヒルダ・コレッジ卒業。1950年、『なついた羚羊』でジャナサン・ケープ社からデビュー。『よくできた女』で作家としての評価を確立して活躍しながら、60年代から70年代にかけて作家としては不遇となる。しかし1977年『タイムズ紙文芸付録』のアンケートにおいて「もっとも過小な評価を受けた20世紀作家」として脚光を浴び、その後、『秋の四重奏』などを出版した。「20世紀のオースティン」の呼び声も高く、没後再評価の気運も高まっている

芦津かおり[アシズカオリ]
京都大学文学部卒業、同大学大学院修士・博士後期課程修了。大谷大学専任講師・准教授を経て、神戸大学大学院人文学研究科准教授。イギリス文学。主にシェイクスピア劇を中心に研究している(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

まふ

113
1952年初版の英国ロンドン市内の教区内における未婚中流階級女性の日常記。大きな事件が起こらず地域の国教会教区の仲間たちと冗談を言い合いながら過ごす日常の「幸福な」毎日が主人公のミルドレッドの控えめな口から語られる。ミルドレッドのフラットに文化人類学者のエレナ・ネイピアとその夫ロッキンガムの夫婦が引っ越してきたときから平和な教区の住民の生活が「活性化(?)」しダイナミック化する…。読むにつれ、これぞ英国「日常社会小説」そのものではないかと納得した。この作者の筆力を高く評価する。G523/1000。2024/05/29

ケイ

103
20世紀のジェインオースティンの書いた「おひとりさま」小説、との紹介。確かにオースティン的なものもあるが、もうちょっとミルドレッドは自己を主張した方がいいと思う。大戦後で、オールドミスという見方がまだまだあった時代。マイペースでちゃんとしたミルドレッドだって、人並みに文句は言うし、男女関係に興味は持つ。きちんとしたところが長所なのだけど、調子のいい女性に振り回されちゃって…という作者の意図がどこかにないだろうか。なんか中途半端だな。オースティンとブリジットジョーンズの間にいるとしても。2015/11/15

扉のこちら側

86
2016年706冊め。【200/G1000】田舎の牧師館育ちの30代独身女性の語りが面白い。それなりの教育を受けて家事もでき、小うるさい両親もすでに亡いオールドミスは、周囲の人からすると便利な存在でちょっと侮られがち。本人もそれを知っていて、賢く立ち振る舞っている。時々思い悩んだりするけれど、鋭い観察眼で日常のさざ波をこれからも渡っていくのだろう。ロマンスを匂わせる終わり方だけれど、たぶん結婚しないのではないかな。2016/09/09

NAO

61
田舎の牧師館で育ったミルドレットは、誰とでもすぐ打ち解けて話すことができる「よくできた女」だ。親しい牧師姉弟や旧友との交流、教区活動への参加と、穏やかな生活を送っている。ミルドレッドは、誰とでも合わせることができる「よくできた女」だから、大胆に行動したり、感情的になったりはしない。だが、だからこそ、彼女のちょっとした空想癖や心の揺らぎが婚期を逃しつつある女性の心の機微を静かに鮮やかに浮かび上がらせている。ほろ苦い生活の果てにロマンスの予兆を感じさせる終わり方で、読後感の良い話だった。 2016/05/26

星落秋風五丈原

42
【ガーディアン必読1000冊】原題はExcellent Women=複数形。単数形なら作品中の誰かを指すと考えるが、複数形ということは「よくできた女」の定義は一つだけではない。ミルドレッドは料理もできて出しゃばりすぎない古き良き英国の「よくできた女」と言えるが、一方で大戦後、家族や教会まわりの仕事だけでなく、社会で男性と伍して働く事に目覚めてゆく、いわゆるキャリアウーマンのはしりもまた「よくできた女」である。でもまだまだ男性社会はミルドレッドのような前者パターンを望んでいる、という皮肉もほの見える。 2017/12/03

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