内容説明
「私が文章を書く動機はその対象が好きだという情動から始まる」―好みから発した思索はやがて無二のポルトレとなった。作品から作者の気質や思想まで、語り味わう美術エッセイ43篇を収録。
目次
風の画布(ギリシャの微笑―アレコス・ファシアノス;荒野の白い月―ダグ・コフィン ほか)
交流の歳月(全感的な絵画―中西夏之;大島旅行と加納さん―加納光於1 ほか)
フォークアートの森(動物のイメージ;エル・パライソ―ニカラグアの素朴画 ほか)
午後の手帖(明るい朝食が似合うポスター―デイヴィッド・ホックニー;オルフェの遺言―ジャン・コクトー ほか)
著者等紹介
谷川晃一[タニカワコウイチ]
1938年、東京に生まれる。絵画は独学。個展多数。1968年より絵画制作に並行して美術批評を始める。1988年に東京から伊豆高原に移住。1990年、池田20世紀美術館で回顧的個展。1993年、伊豆高原アートフェスティバル企画開催。現在も継続。1994年、伊丹市立美術館でデッサンによる回顧的個展。2000年より絵画制作の傍ら絵本を描き始める(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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メルセ・ひすい
2
14-1 赤14-1 希臘の画家アレコス・ファシアノス 描く世界は、エーゲ海の薫風と明るい陽光… この絵を眺めていると そう西脇順三郎の詩が浮かんでくる。☆南風は柔らかい女神をもたらした 青銅をぬらした 噴水をぬらした ツバメの羽と黄金の毛をぬらした 潮をぬらし 砂をぬらし 魚をぬらした 静かに寺院と風呂場と劇場をぬらした この静かな柔らかい女神の行列が 私の舌をぬらした (「雨」) 45年前の詩 多分この詩人の心は、ファシアノスの絵の中の人と同じ薫風に吹かれていた…(^0^) 拝拝拝! 2010/10/04
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