小説の恋愛感触

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  • サイズ B6判/ページ数 217p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784622075196
  • NDC分類 910.26
  • Cコード C1095

内容説明

小説が紋切り型の幸福を脱ぎすてて、物語からの夜逃げを企てたとき、剥き出しの「恋愛感触」が現れる。言葉が紡ぐ行き先のない快楽へと誘う、めくるめく批評体験。

目次

はじめに―切ない背理
性器なき地平で―松浦理英子『ナチュラル・ウーマン』
裸の固有性―松浦理英子『親指Pの修業時代』
わたしは犬になり、あなたはわたしになる―松浦理英子『犬身』
行き先のない快楽―多和田葉子『変身のためのオピウム』
視力の蜜度―星野智幸『目覚めよと人魚は歌う』
歪んだ文字―星野智幸『溶けた月のためのミロンガ』
恋愛を葬る―水村美苗『本格小説』
ヒロインの死―夏目漱石『虞美人草』
視線と復讐―高木芙羽『フラワービジネス』茂田眞理子『スキンディープ』〔ほか〕

著者等紹介

内藤千珠子[ナイトウチズコ]
1973年生まれ。東京大学大学院総合文化研究科博士課程修了。博士(学術)。現在、大妻女子大学文学部日本文学科専任講師。専攻は近現代日本語文学・文芸批評。著書に『帝国と暗殺―ジェンダーからみる近代日本のメディア編成』(新曜社、2005、2008年度女性史学賞受賞)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

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なめこ

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男/女、精神/肉体、異性愛/同性愛といった二分法であったり、婚姻をはじめとする制度であったり、それらのあいだをすり抜けて、どこまでも<わたし>と<あなた>であろうとする、「ありふれていて、しかも同時に特別である」という「切ない背理」=「小説の恋愛感触」を掬いとった、12本の批評文がおさめられている。ここでいう<わたし>と<あなた>とは、著者自身も明言しているとおり、<批評>と<小説>の別名であって、この本に収録された文章はどれも、<小説>のような<批評>(でも、決して<小説>そのものじゃない)なのだった。2017/04/06

メルセ・ひすい

0
14-16 赤20 ★5恋愛をめぐる決まりごとの先にあるもの、人と人との性愛とは… 恋愛・幸福・享楽・愉楽・松浦理英子の「性器…」「裸…」「…犬」 多和田の「…快楽」…… 読者は小説を読み終え恋愛や性をめぐるあたりまえを喪失したとき、小説はステレオタイプの幸福を葬り、そしてまた物語からの夜逃げを企てるのだ。その先にあるのは剥きだしのことば、「言葉」の力それは愉楽と痛み、そして悩みに満ちた「恋愛感触」を紡ぎだす。私たちの目の前には行き先のない忘我があらたな未知へといざなう…官能的な批評の挑戦( ̄ー☆。 2010/11/10

nobu

0
小説の深読みではとも思うがこのような読み方もあるのか2010/08/05

Arol Color

0
松浦理英子のみ2021/08/07

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