内容説明
「いつも道を見失う男の感動すべき姿」が、ここにある。モデルとして、不動の姿勢をとりつづけること230日、哲学者ヤナイハラによって記された全身芸術家、アルベルト・ジャコメッティの素顔。
目次
写真帖1955‐1957年
手帖1955年(ジャコメッティへのインタビュー)
手帖1956年(ジャコメッティとの親交、ブラックとミロへのインタビュー;はじめてジャコメッティのモデルとなる;ふたつのアヴァンチュール;ヤナイハラ・クライシス、続けることの可能性)
手帖1957年(ふたたびジャコメッティのモデルに、アヴァンチュールは続く;さらなる現実、不可能な肖像画に向かって)
著者等紹介
矢内原伊作[ヤナイハライサク]
1918年、愛媛県に生まれる。京都大学文学部哲学科卒業。哲学者、元法政大学文学部教授、1989年没
武田昭彦[タケダアキヒコ]
1952年生まれ。法政大学大学院哲学専攻博士課程単位取得退学。美術評論家
菅野洋人[カンノヒロト]
1963年生まれ。法政大学大学院哲学専攻修士課程修了。郡山市立美術館主任学芸員
澤田直[サワダナオ]
1959年生まれ。パリ第一大学哲学科博士課程修了(哲学博士)。立教大学教授
李美那[リミナ]
1966年生まれ。東京芸術大学大学院西洋美術史専攻修士課程修了。神奈川県立近代美術館主任学芸員(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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O. M.
2
これは貴重な日記です。ジャコメッティの研究者しか手に取らないかもしれませんが、一般の芸術ファンにも価値があります。1950年代パリの芸術家達の雰囲気が、矢内原氏の日記・メモを通して率直に感じられます。テレビの密着型ドキュメンタリーのように、その場に一緒にいるような体験です。 本書はまた、一芸術家の、対話を通してのアフォリズム集とも読めます。最近は、ブログやTwitterで芸術家の考えがダイレクトに発信されたりもしますが、当時の芸術家の考え方を、本書のような形で読めるのは、とても幸せなことだと思います。2013/08/10
メルセ・ひすい
2
13-96 赤35 ジャコ・ファンの必読書 ネガ写真モノクロ 20数ページ有り。 彼ハ昂奮シテクル。merde!merde!ト ドナッテイタノガ。自制ヲ失ナッテ本当ノ狂気ニナル。…1955年、はじめてアトリエを訪問。以後56.57、59.61の間、総数230日にわたってモデルとしてポーズをとりつづけた哲学者がアルベルト・ジャコメッティとの対話を詳細に書きとめた6年間の記録。1955年初めてのアトリエ訪問以来、総数230日.年譜付き。2010/06/05
tkm66
0
矢内原伊作とジャコメッティ夫人の不倫疑惑①2010/05/06