シモーヌ・ヴェーユ最後の日々 (新装版)

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  • サイズ B6判/ページ数 176,/高さ 20cm
  • 商品コード 9784622074656
  • NDC分類 135.5
  • Cコード C0010

内容説明

シモーヌ・ヴェーユの思想はすぐれた素質のもつ意識のドラマともいうべきものであり、その発展は驚くべき一貫性を有している。彼女においては思索と実践が分かちがたく結びついた統一体をなしており、内面の発展を理解するためには、その生涯を知ることが不可欠であろう。本書は先に刊行され、最良の伝記と評価された、同じ著者による『シモーヌ・ヴェーユ伝』の補足をなすものである。1942年6月のマルセイユ出港から、ニューヨークを経て、翌年8月に亡命先ロンドンで悲劇の死を遂げるまでの15ヵ月間は、ヴェーユの最大の文学的活動の時期であった。ヴェーユの思想の独自性への深い理解と、綿密な資料・証言蒐集から生れた本書は、この最後の日々に光を当て、短かりし生涯を通じてつねに真理のみを追求した稀有の魂の内面のドラマを描き出す。

目次

マルセイユ出発(一九四二年五月十四日)
ニューヨーク(七月六日から十一月九日)
ロンドン(一九四二年十二月十四日から一九四三年八月十七日)(自由フランス軍のもとで;イギリスの発見;亡命が果てしないものとなるとき;ミドルセックス病院(四月十五日から八月十七日))
アシュフォード(一九四三年八月十七日から八月二十四日)

著者等紹介

カボー,ジャック[カボー,ジャック][Cabaud,Jacques]
アメリカ合衆国のニュー・イングランドで生れたが、フランスで学校教育を受け、その後アメリカへ戻った。フォーダム大学で哲学の修士課程を終え、コロンビア大学でフランス哲学の学位を取得した。のち、主としてアメリカでフランス文学、特に17世紀文学を講じた。1950年パリ滞在中、シモーヌ・ヴェーユに関心を抱き、資料収集、関係ある土地、人物の調査に専念し、その成果が主著『シモーヌ・ヴェーユ伝』(みすず書房)、L’exp´erience v´ecue de Simone Weilである

山崎庸一郎[ヤマサキヨウイチロウ]
1929年東京に生れる。1953年東京大学文学部仏文科卒業。学習院大学名誉教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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4
マルセイユから船出/脱出(1942.5)したことを後悔するシモーヌ・ヴェイユ。その後、ニューヨークからロンドンへ出航し、フランスに戻る機会を窺う(願う)もかなわず。徐々にフランス戦災者と同化し、心身をすり減らし、ついには死に向って歩み始めた1年3ヵ月余りの最後の記録。訳者の言葉を借りるなら、彼女が実践した愛の狂気は、衰えていく肉体のなかで、自我の発言を徐々に封じてゆき、彼女の心情は意識せずして神に満たされていなかったと誰に断言しうるであろうか。2021/07/06

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