内容説明
心象スケッチから「装景」へ。郷土の湯治文化に根づきつつ、先端スパ・リゾート開発に関わった宮澤賢治の生涯と作品を、「温泉的想像力」の発露として解き明かす。
目次
1 潜む湯治場(賢治と湯治;愉しき大沢温泉―夏期仏教講習会と「大事件」;温泉のフォークロア―「鹿踊りのはじまり」「なめこと山の熊」 ほか)
2 華やぐ温泉リゾート(花巻温泉の「新しさ」;観光的想像力―「注文の多い料理店」「修学旅行復命書」;リゾートとしての「イギリス海岸」 ほか)
3 ほとばしる温泉的想像力(温泉の訣かれ;花巻事変―「一九三一年度ビヂテリアン大会見聞録」;未来形のノスタルジー―「ポラーノの広場」 ほか)
著者等紹介
岡村民夫[オカムラタミオ]
1961年、横浜に生まれる。立教大学大学院文学研究科単位取得満期退学(フランス文学専攻)。法政大学国際文化学部教授。表象文化論。宮沢賢治学会イーハトーブセンター・編集委員会ビブリオグラフィー部会委員(1996‐2003)、同理事兼編集委員長(2004‐2008)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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おせきはん
20
宮沢賢治の生涯と文学作品と温泉の関わりが、宮沢賢治も関わった花巻温泉開発の歴史とともに論じられています。宮沢賢治の生涯そして文学作品に温泉地での経験が影響を与えていたことが解き明かされていく過程を興味深く読みました。自分が勝手に抱いていた宮沢賢治のイメージが大きく変わりました。2025/04/06
壱萬参仟縁
4
理想郷、ユートピア。なくしたら、生きていても楽しくないのだろうな。てかる感じの厚めな感じの紙から成る本。写真も多数収録。小学生の国語教科書に出てくる話題でもあるので、本書を参考に学習を深めることができるとよいのではないか。学校の先生がそこまで児童のためを思って教材化できるかどうかだが。農村改革が<観光>と幾重にも関連づけられて説かれる「修学旅行復命書」(152頁)。現代の修学旅行も田舎へ訪れる体験民泊と絡めていくと、思い出づくりに一役買うと思えた。羅須地人協会でエスペラントを講義した賢治氏(268頁)。2013/04/14
takao
2
ふむ2022/06/09
チェ・ブンブン
0
自分の大学の教授が書いた本だから試しに読んでみた。期待とは裏腹に温泉について描かれておらず残念だった。宮沢賢治既習者にぴったりの本である。知らなくても、彼が観光ビジネスマンとしても活躍していたことが分かる本でした。2013/04/14
メルセ・ひすい
0
10. 青34 花巻温泉の歴史 心象スケッチから、ランドスケープデザイン、大地の「装景」へ-。郷土の湯治文化に根づきつつ、先端スパ・リゾート開発に関わった宮沢賢治の生涯と作品を、温泉文化に育まれた想像力の発露として解き明かす。2008/09/30