内容説明
ナイチンゲールは本当に“ランプを持った貴婦人”だったのか?アーノルド博士からゴードン将軍、マニング枢機卿まで、偉人たちの実像に迫った評伝の古典。
目次
フローレンス・ナイチンゲール
アーノルド博士
ゴードン将軍の最期
マニング枢機卿
著者等紹介
ストレイチー,リットン[ストレイチー,リットン][Strachey,Giles Lytton]
1880‐1932。イギリスの伝記作家・批評家。ヴァージニア・ウルフやE・M・フォースターらと共にブルームズベリー・グループの一員として、ヴィクトリア朝の文学・思想を批判し、現代的なスタイルを創出した
中野康司[ナカノコウジ]
1946年に生まれる。東京外国語大学卒業。東京都立大学大学院博士課程中退。東京都立大学教授を経て、青山学院大学英米文学科教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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春ドーナツ
17
「ゴードンは終始無言だったが、ゴードンの青い目がきらりと光り、一瞬、熱を帯びた表情が走ったのを、バーンズ牧師は見逃さなかった」長い引用になったけれど、「ゴードンって誰やねん」と思われるかも知れないけれど、リットンさんの伝記文学の真骨頂が、この一節に凝縮されていると私は考えるのだ。このような文章が目白押しなのだからたまらない。ゴードン将軍を始めとして、俎上に載せられた他の3名も「とても個性的」(控え目な表現かも知れない)で、特異な時代の寵児であり、その人生は歴史好きには甚だ興味深いと思う次第である。2018/06/05
Speakten
3
ビクトリア朝の偉人と言われても、多少とも馴染みがある名前はナイチンゲールぐらいで、それ以外のマニング枢機卿、アーノルド博士、ゴードン将軍は知らない、としか言いようがない。少なくとも自分はそうだった。しかし著者は、この4人に共通する深い信仰心を通して、当時の英国の時代精神の典型を描こうとする意図があったのではないか。お互いの伝記の中に他の伝記の関連人物がしばしば登場するのも興味深い。 2022/02/11
greenman
3
対象者をほめる伝記は数あれど、徹底的に人間性や事物を深く掘り下げる伝記はそう多くない。シュテファン・ツワイクの「ジョゼフ・フーシェ」も本書と同じ種類の伝記といえる。作家が対象者に強く共感した場合か、もしくは共感できない場合にのみ伝記や評伝の傑作ができる・・・とある人が言っていたけど、ストレイチーは有名なヴィクトリアンや彼らを作り出したヴィクトリア朝に違和感があったんだろうなぁと想像する。さらに彼の感情にはキリスト教への悪意も含まれいて、彼がゲイだったことがキリスト教を批判の目で見る原動力だったのだろうか。2011/11/11
ひろただでござる
0
ゴードン将軍の貢は期待してたけど、訳がなぁ・・・。のめり込むことなく期待はずれでした。2014/01/26