出版社内容情報
翻訳=他者という試練を経てこそ自国の文化が花開くことをクリアに分析。フーコーの考古学やデリダの文字学と並ぶ翻訳学を展開。
内容説明
翻訳はたんなる媒介ではなく、他者を欲望し、他者と格闘し、みずからを変容させる、情動に満ちた行為である。翻訳が秘めもつ途方もない創造性を探究するべルマンの記念碑的著作、待望の邦訳。
目次
顕現する翻訳
序論
ルターあるいは礎としての翻訳
ヘルダー 忠実と拡張
ビルドゥングと翻訳の要請
ゲーテ 翻訳と世界文学
ロマン的転回と無限の反転可能性
自然の言葉と芸術の言葉
翻訳の思弁的理論
批評運動としての翻訳
A・W・シュレーゲル あらゆるものを訳すことへの意志
F・シュライアーマッハーとW・フォン・フンボルト 解釈学=言語学的空間における翻訳
ヘルダーリン 祖国のものと異郷のもの
著者等紹介
ベルマン,アントワーヌ[ベルマン,アントワーヌ][Berman,Antoine]
1942年生まれ。フランスの翻訳理論家・翻訳家。1967年から詩誌『ラ・デリラント』を共同で主宰する。1970年代以降は中南米スペイン語・英語・ドイツ語の文学を中心に多数翻訳を手がけ、詩と翻訳の経験を踏まえた研究を1984年に『他者という試練』として上梓し、翻訳学の構想を世に問う。パリ・国際哲学コレージュやジャック・アミヨ・センターでのセミナーならびに雑誌での論文発表を行なうなか病に倒れ1991年死去
藤田省一[フジタショウイチ]
大阪生まれ。専攻は近代文学・言語態分析。現在、東京大学総合文化研究科博士課程・パリ第八大学フランス文学博士課程在籍(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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