内容説明
主人公のナンダ・グレイはカトリックの寄宿女学校に入学し、宗教の厳格な規律に則った生活、信仰と自我、友人関係、階級の問題など、さまざまな問題に悩みながら、大人の世界に近づいてゆく。しかし彼女はある事件によって、この学校のシステムと決定的に対立することになる。A.ホワイトは日本では殆ど知られていないが、英国では著名な作家で、本書を含む四部作では、シャーロット・ブロンテを継ぐ存在と高く評価されている。また、エリザベス・ボーエンはヴィラーゴー版の序文で本書を、「少女のスクール・ストーリーのなかで、古典として残る唯一の作品」と賞讃している。
著者等紹介
ホワイト,アントニア[ホワイト,アントニア][White,Antonia]
1899年にロンドンに生まれる。本名はアイリーニ・ボッティング。父親はパブリック・スクール、セント・ポール校の古典の教師で、カトリックへの改宗者であった。アントニアは九歳から十五歳までをロンドン郊外の聖心修道院付属の寄宿学校で過ごしたが、『五月の霜』はこの時期の体験をもとにしている。退学後、コピー・ライターや女優、ジャーナリストなどとして活躍。結婚・離婚を三度、恋愛もいくつか、一時期は精神障害のため施設にも入るなど、起伏の多い人生を送った。1933年に出版された『五月の霜』は『迷える旅人』『砂糖の家』『ガラスの壁』とともに四部作を成し、シャーロット・ブロンテの後継者とも評価されている。ほかに30冊以上のフランス文学を翻訳、モーパッサンの『女の一生』の翻訳では賞を受けている。1980年死去
北條文緒[ホウジョウフミオ]
1935年東京に生まれる。1958年東京女子大学文学部英米文学科卒業。1961年一橋大学大学院社会学研究科修士課程修了。東京女子大学名誉教授。イギリス小説専攻(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ケイ
まふ
NAO
藤月はな(灯れ松明の火)
ぱせり