内容説明
幻滅の専門家、陽気なペシミスト、そして挫折の小説家、グルニエの最新短篇集を名訳で。人生における出会いと別れを苦いユーモアで語って比類なき十の物語。
著者等紹介
グルニエ,ロジェ[グルニエ,ロジェ][Grenier,Roger]
1919年、カーンに生まれ、ポーで育つ。戦後カミュにさそわれ「コンバ」紙で働く。「フランス・ソワール」紙編集部を経てガリマール書店文芸顧問
山田稔[ヤマダミノル]
1930年、門司に生まれる。作家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
蘭奢待
43
短編集。フランス人の編集者にして作家。全編通じて人生の皮肉を表現する。戦時中、占領下のフランスでレジスタンス運動に加わり、戦後はアルベルトカミュとともに編集者として働く。興味深い経歴を持つ作家。作品にそれが表れていると面白いのだが、この短編集からは残念ながらあまり感じられなかった。2020/01/19
二戸・カルピンチョ
23
グルニエの何がいいのかを考えた時、ひどく驚くような出来事が起きないこと、面白い話にしてないこと。じゃあ何で読み続けることができるのか。シンプルで回りくどくない、主人公たちに興味が湧きやすく共感できる、から。最小限の人物の情報を重ねて、なんかいいんだよね。そのペシミスト振りがじわっと来る。短編集が大の苦手な私が読める、とても楽しかった短編集です。2023/01/17
燃えつきた棒
23
少し期待しすぎていたかも知れないが、それでも「別離の時代」と「秘密」は印象に残った。 微かにメグレ警視の匂いがした。 ビターなテイストが病みつきになりそう。 やっぱりフランス文学が一番性にあってるかも。 2015/11/10
ぞしま
11
「シンメトリー」以外は作者が八十代で買いたとか…、化け物ぶりがすごい。滑稽で可笑しいのだが明晰さはとっくに置いていってるような、脱(メロ)ドラマ的な志向を感じたりしたが、勘違いだろうか。 「きわめて愛他的で、寛容」「しかし掘り下げてみると、誰も愛していないことがわかる」というチェーホフ評は、グルニエ自身にもあたるのだろう。 「別離の時代」と「秘密」が好みだった。「秘密」のパヴェーゼの書かれぶりはけっこう西の欧では一般的なのかしら、かわいそう。2021/06/23
のりまき
10
『秘密』が好きかな。2023/04/09
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