内容説明
適法性コントロールから最も遠いところに置かれてきた公益適合原則。この法原則実行化のための裁量審査ルールを、「公益性の再構成」および「最良の判断条件充足義務」をキーワードに解明。
目次
第1部 行政裁量論の問題状況(裁量権概念の再構成―J・C・ヴェネズィア『自由裁量権』を手がかりに;裁量権の踰越と濫用)
第2部 フランスの裁量審査理論―国土整備・開発事業の「公益性」に関する費用便益衡量型審査手法を中心に(序説―国土整備・開発事業の「公益性」をめぐる問題状況;「費用便益衡量」理論形成のための諸前提;「費用便益衡量」理論の形成とその運用状況 ほか)
第3部 公益適合審査法理の探求(媒介的規準論の可能性―問題の所在;公益適合原則と「法律上の争訟」―行政事件訴訟法一〇条一項の解釈論を中心に;古典的裁量学説における公益適合判断の捉え方 ほか)