内容説明
宗教が語る真理は、西洋中心主義の眼差しを通して歴史的にいかに編成されてきたのか。10名の論客が、ポストコロニアル時代の文化と政治のもとで、宗教と宗教言説を批判的に語りなおす論文集。
目次
序論 宗教研究とポストコロニアル状況
1 宗教概念論再考
2 暴力と宗教
3 西洋中心主義と普遍性
4 土着主義と文化的抗争
5 感情と宗教
著者等紹介
磯前順一[イソマエジュンイチ]
1961年茨城県生まれ。日本女子大学助教授(宗教・歴史研究)。東京大学大学院人文科学研究科宗教学・宗教史専攻博士課程中途退学。宗教学、歴史学、考古学など諸分野を横断的に往還しながら、学的言説の位相を日常のリアルさとの関係から捉えなおそうとする
アサド,タラル[アサド,タラル][Asad,Talal]
1933年サウジアラビア・メディナ生まれ。ニューヨーク市立大学教授(人類学)。オックスフォード大学でPh.D.取得(人類学)。人類学の視点から西洋近代化という覇権的時空を批判的に捉え、その内部において西洋近代に完全には同化されることのないさまざまな近代の様相を描き出す(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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mittsko
2
錚々たる執筆陣のポストコロニアリスト宗教研究。宗教概念批判を普遍主義/土着主義の再検討へと展開させたうえで、暴力、身体実践、感情、物質等への注目により広範な議論の場を設定しなおそうとする。文句なしに有意義! ※ 元になった05年のワークショップの表題にすでに「ポストコロニアル」の語を含む(「あとがき」参照)。06年刊。全十本の論文のうち、少なくとも五本がもともと英語で書かれた模様。04年の『〈宗教〉再考』と11年の『宗教概念の彼方へ』をつなぐ一冊。この三冊で、日本語での宗教概念批判とその先が明示された。2021/02/15
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