目次
世界の最初の一日
森のなかの出来事
遠くからの声
森をでて、どこへ
むかし、私たちは
空と土のあいだで
樹の伝記
草が語ったこと
海辺にて
立ちつくす〔ほか〕
著者等紹介
長田弘[オサダヒロシ]
詩人。1939年福島市に生まれる。1963年早稲田大学第一文学部卒業。1971‐72年北米アイオワ大学国際創作プログラム客員詩人。毎日出版文化賞(1982)、桑原武夫学芸賞(1998)、講談社出版文化賞(2000)などを受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ふう
84
先に読んだ「すべてきみに宛てた手紙」の中に、『詩は語るためのことばではありません。黙るためのことばです』という文がありました。 そのことばに触れたくて手に取った詩集。 すべてのことばが今のわたしにとって必要で、これからも何度も読み返し、大切なことを忘れずにいたいと思える詩集でした。2015/11/04
Hideto-S@仮想書店 月舟書房
44
『森の絵本』『空の絵本』などの作品でも知られる詩人、長田弘さんの詩集。樹木や森などをモチーフに綴られた21篇の詩は、がんの告知をうけたご家族に付き添っている時に作られたそう。イメージの中心に在ったのが特に愛着を持っている一本の木。孤立していても「共に在る」感覚は、病む家族の傍らにいる時の心情だったようです。カバーの絵は、ドイツの画家カスパー・ダーヴィト・フリードリヒの『孤独な木』。森が語りかけてくるような清廉な言葉は、心にすとんと沁みました。森の緑や空の青がみえました。【絵のない絵本】のようでした。2014/06/19
スプーン
39
自然、そしてその中での人間の立ち位置。 人は定住を許されない旅人。 そこに悲しみと苦しみと、喜びがある。 大いに生き、大いに死せよ!その道こそが王道なり。2020/09/21
wildchild@月と猫
36
「人ひとりいない風景は、息をのむようにうつくしい。どうして、わたしたちは 騒々しくしか生きられないか? 世界のうつくしさは、たぶん悲哀でできている。」 「自由とは、どこかへ立ち去ることではない。 考えぶかくここに生きることが、自由だ。 樹のように、空と土のあいだで。」 全編心に沁み渡る、シンプルで素敵な詩集でした。2014/11/22
ベル@bell-zou
27
このポツンと一人取り残されていくような気持ち。孤独がどんどん広がっていくような。なのに不思議と寂しくはない。あるのは哀しみを帯びた微かな怒りと悟りと。この世界を受け入れるのは私か、それとも私が受け入れられているのか。"シル トハ コノヨヲ ジブンカラタノシム ホウホウデス" >>フェリシモ復刊リクエストにて。この本、なんとなく木の匂いがしてついつい嗅いでしまう。詩集としてはストレートで分かりやすく響く言葉もあれば時々説教くさくも感じたり、など。2024/05/18