内容説明
ヒトラーを操縦して、ドイツの国家権力を握った瞬間、逆にヒトラーに支配されることとなった国防軍。ニュルンベルク裁判の、イギリス代表団に随行した経験のある歴史家が、第一次世界大戦の敗北から、1944年7月22日のヒトラー暗殺計画失敗に到る、国防軍とヒトラーとの関係を詳述する。第1巻は1918年11月から38年2月まで。ゼークトやシュナイヘルが国防軍をどのように指揮し、ワイマール共和国とどのような関係を築いたのか、また共和国崩壊に責任を負っているのか、を描写する。第二次世界大戦後の歴史における、軍隊のあり方と政治のあり方との関連という、いまだに解決のつかない問題にも光を投げかける大著である。
目次
第1部 軍と共和国―一九一八年‐一九二六年(スパからカップまで;ゼークト時代)
第2部 軍とヒトラー―一九二〇年‐一九三三年(求愛、蜜月そして離別;シュライヘル時代)
第3部 ヒトラーと軍―一九三三年‐一九四五年(権力獲得からヒンデンブルクの死まで;ヒンデンブルクの死からフリッチュ危機まで)
著者等紹介
ウィーラー=ベネット,J.[ウィーラーベネット,J.][Wheeler‐Bennett,John]
1902‐1975。イギリスの歴史家。1946年ニュルンベルク裁判の検察部イギリス代表に属す。1946‐48年、接収ドイツ外務省文書編集に従事。46‐50年オックスフォード大学New Collegeで国際関係論を講義。50‐57年同大学のSt Anthony College評議員
山口定[ヤマグチヤスシ]
1934年鹿児島市に生まれる。1956年東京大学法学部卒業。立命館大学教授、大阪市立大学法学部教授を経て、現在再び立命館大学教授。ドイツ現代史、ヨーロッパ政治史専攻を経て、現在、政治学・政策研究に専念
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