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神童から俗人へ―わが幼時と青春 (新装版)

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  • サイズ B6判/ページ数 321,/高さ 19cm
  • 商品コード 9784622051046
  • NDC分類 289.3
  • Cコード C1040

内容説明

本書は、サイバネティックスの創始者、ノーバート・ウィーナーの幼年時代から青年時代の終りまでの31年、彼の約半生にわたる自伝的回想である。全巻を通して随所で著者は、自分が神童であったという異常な体験と、これに対する社会の関心ならびに自分自身の主張に触れ、またドイツ的な思想、ユダヤ人としての知性、多彩な言語的天分をもち、トルストイ主義を奉じて若くして新世界に渡った父親が、いかに自己主張に根ざした厳しい教育と訓育をこの神童に課したかを、実に綿密に記述している。

目次

カンザス市のロシア系アイルランド人
生粋のミズリー人
幼時の思い出―一八九四‐一九〇一年
ケンブリッジからケンブリッジへ ニューヨークとウィーンを経て―一九〇一年六月‐九月
父にしごかれて―ケンブリッジ一九〇一年九月‐一九〇三年
神童の息ぬきと遊び
青年の中にはいった子ども―アイヤー・ハイスクール時代一九〇三年‐一九〇六年
半ズボンの大学生―一九〇六年九月‐一九〇九年三月
子どもでもなく青年でもなく
「場ちがいもの」―ハーヴァード大学一九〇九年‐一九一〇年〔ほか〕

著者等紹介

ウィーナー,ノーバート[ウィーナー,ノーバート][Wiener,Norbert]
1894‐1964。ポーランドに生れ、アメリカに渡ったユダヤ人の言語学者レオ・ウィーナーの長子として生れた。天才肌の父のもとで知能早熟児として出発した彼は、9歳でハイスクールに特別入学し14歳でハーヴァード大学に入学、18歳で数理論理学の論文で学位をとる。まもなくイギリスに渡りケンブリッジ大学でバートランド・ラッセルから数理哲学と数学を学び、ついでゲッチンゲン大学にも学び、帰米して1919年マサチューセッツ工科大学講師、34年以後同大学の数学教授、30年頃から神経生理学者と共同研究に従事し、計算機械も生物における神経系も同じ構造をもつことを認めその数学的論理としてのサイバネティックスを創始する

鎮目恭夫[シズメヤスオ]
1925年東京に生れる。1947年東京大学理学部物理学科卒業。科学思想史専攻、科学評論家
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

roughfractus02

5
ポーランド系ユダヤ人言語学者の父に独自の英才教育を受けた著者は11歳で大学に入学し、18歳で博士号を授与される。本書は10代までの知の獲得と他の学生との成長の差に自分の異質さを感じる青春期を描く(半ズボンの大学生)。一方、言語学者の父が数理系に秀でた著者自身に人文系の教養も叩き込む学際教育を施したことが、本書から垣間見える。一分野を追求する知の獲得ではなく、螺旋のように各領域を円環運動するこの知の遍歴は、自然と人間、動物と人間、人間と機械に共通するものと異なるものを捉え、制御と学習のテーマを彫琢していく。2021/10/23

slip001

3
ウィーナーの自伝。大部分は自伝だが、所々ウィーナーの自然観や教育観等が散りばめられており示唆に富む。訳者後書きでの「しかし彼は解きうる問題を解いた科学者としてよりは、解くべき問題、人間が取り組まねばならない問題は何かを追求し、それをわれわれに示唆した哲学者としていっそう偉大だった。」には共感を覚えた。2013/07/15

0
1983年1月20日印刷 1983年1月30日発行 鎮目恭夫訳 みすず書房 2017/09/02

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