みすずライブラリー<br> 機械と神―生態学的危機の歴史的根源

みすずライブラリー
機械と神―生態学的危機の歴史的根源

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  • サイズ B6判/ページ数 186p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784622050490
  • NDC分類 404
  • Cコード C1340

出版社内容情報

現代の生態学的危機の歴史的根源をユダヤ・キリスト教的世界観に探り、西欧文化の矛盾を抉る。

内容説明

科学と技術の無制限な研究・開発によってもたらされた、人類存続に対する危機。人間中心の自然観など、キリスト教的な世界像から原因を考察する。

目次

第1章 昔も今も
第2章 現代文化の規範の変化
第3章 キリスト教的神話とキリスト教的歴史
第4章 ダイナモと聖母マリア再考
第5章 現在の生態学的危機の歴史的根源
第6章 科学の文脈
第7章 発明の作用
第8章 知識人の憂うつについて
第9章 技術者と新ヒューマニズム
第10章 技術についての観想
第11章 魔女の必要性

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

みか

9
ホワイトはキリスト教の自然観を批判対象としたが、彼の聖書解釈の妥当性については、発表以来さまざまな議論がなされた。彼の主張においてもっとも重要であるとわたしが感じたのは、「われわれの苦しみの根が深く宗教的である以上、それをそうよぶにしろよばないにしろ、その救済手段もまた本質的に宗教的でなければならない」という提案である。現代の科学と技術は、「正統キリスト教の自然にたいする尊大さであまりに染まっている」ため、科学と技術の力だけでは、生態学上の危機を解決することはできない。2020/11/07

みか

6
ホワイトは、今日の生態学的危機は「出現しつつある全く新しい民主主義文化」の産物であると言う。彼によれば、「近代技術と近代科学」は19世紀半ばに民主主義革命によって突然融合し、「社会的障壁をなくして頭と手との機能的統一」を果たした。近代技術と科学の融合体こそが、ホワイトの言う「全く新しい民主主義文化」なのであり、それが今日の深刻な環境破壊をもたらしていると主張する。2006/06/07

いとう・しんご

1
宇野寧湖氏のレヴューが簡にして要を得ているので、特に付言しないが、あえて言うなら、翻訳がやや生硬。2019/12/02

takao

0
キリスト教が地霊を殺して生んだもの2016/09/23

@を

0
環境破壊と一神教を結び付けた最初期の本ということで読んだが、もっと豊かな本だった。この本の主張として挙げられる「聖フランチェスコへ帰れ」はデュボスの過剰反応であって、ホワイトの記述はそこまで強くなく(「生態学者の聖者におすすめしたい」と書いてるだけ)、ディープエコロジーに通じるものなんじゃないか。そんなことよりも技術史家として「頭を使うことの方が手を使うことよりも精神的だ」という貴族主義的人文知への批判的な視座を提出していることの方が価値があると思う。省力に本質を見る技術観はやや楽観的過ぎるとは思う。2020/05/10

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