出版社内容情報
才能に恵まれつつ、借金・持病等に悩む夫45歳。妻20歳。深い愛のみが描く作家の真実。増補改訳。
内容説明
才能に恵まれつつも、厖大な借金、持病、多くの障害に悩む45歳、妻20歳。二人はヨーロッパへ旅立つ…。深い愛のみが描きうる作家の真実。
目次
1 子どものころと娘時代(誕生;教育 ほか)
2 ドストエフスキーとの出会い、結婚(知りあうまで;出会い ほか)
3 初期の家庭生活、蜜月(「小説家の結婚」;最初の大きな苦痛 ほか)
4 外国放浪(はじめての夫婦喧嘩;ドレスデン ほか)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
山口透析鉄
23
私が大学生の頃、近所の図書館(当時は文京区に住んでいました)で上下本を借りて読みました。 ドストエフスキー の再婚相手、20歳年下のアンナ夫人による手記で、大元の編集者も良かったのでしょう、速記を学び始めた理由、出会いとその仕事っぷり等々が等身大の筆致で書かれていて、興味深い本でした。 最初はお2人の出合い編、からです。 「賭博者」の原稿、受け取りのサインを警察署長にしてもらい、動かぬ証拠にしたというエピソードとかもよく覚えています。 19世紀というか、小説を代表するような大文豪の素顔が見えます。
ココマ
4
重々しい題と違って大変楽しい内容でした。このアンナ夫人の文章は他の研究書よりも多分面白いです。誰がどの作品のモデルかまで明記されています。速記で日記をつけていたので夫とのやりとりが詳しく描かれ、かなりドストエフスキーを身近に感じることができ、つい微笑してしまう場面が多いです。20そこそこのアンナに「なぜ話題がいつも暗いのですか」と叱られたり散々な優しいドストエフスキーです。もし彼がファンと会話するなら、彼が夫人に言ったことを話すと思います。美術、読書の仕方、等等。色々教えられた気がします。2013/10/04