内容説明
ふえる軽症うつ病、チーム医療の進展、災害・事件の衝撃、メンタルヘルス…。ロングセラー『精神科医のノート』発表から20年、「診察室発」の最新レポート。
目次
人みしりについて
メランコリー好発型性格
リスト・カット
スチューデント・アパシー
外来分裂病のこと
精神科医という職業
ファミリィ・スタディ
「脱病院化」考
職場のメンタルヘルス
常識と反常識
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
水無月十六(ニール・フィレル)
1
精神科医である筆者が、その時代における精神医療界の中身を書き綴った本。精神衛生と言う言葉を私はよく使っていた(前に何かの本で読んだ)のだが、この本の時点でもう古い表現だったようだ。今は精神保健というらしい。そこそこ古いので新しい「ノート」ができているかもしれない。分裂病やうつ病などの精神疾患を理解する、考えるのに良い本かと。2014/07/24
ゆきのすけ
1
前作である『精神科医のノート』は未読。本書で分裂病とされている病は、現在は統合失調症であったり、本書内ではうつ病の分類変化が述べられていたり、少しずつとはいえ医療現場にも時の流れがあることを感じる。興味深かったのは医学部生の進路決定にまつわる話しと、精神科医の中には一般向け精神医学の本を書くことによって、自分のもつ文科志向を昇華する人がいる、という話し。特に後者は、一般人の自分が精神医学について興味を持って、いろいろな本を手にしたことを思うと、需要と供給の関係が成り立っていることに気付いておもしろかった。2011/01/08