出版社内容情報
イタリア・ルネサンス期の芸術家にして科学者であったダ・ヴィンチの人体解剖図100枚を集める。
それぞれの図に解説を加え、冒頭では、ダ・ヴィンチ解剖学の変遷を詳細にたどる。
「30年も前に出された『レオナルド・ダ・ヴィンチ解剖図集』が特別復刊された。解説がよくできていて、図面に合わせて読んでいくと、実に面白い」(立花 隆/文春図書館 2001.6)
内容説明
画家としての精妙な線と、科学者としての正確な眼。イタリア・ルネサンス期、解剖学の先駆的な業績として残された、図解とメモ。年代を追って編集し、解説を加える。
目次
レオナルドの解剖学研究
フィレンツェ時代(1452‐81)
ミラノ時代(1481‐99)
第二フィレンツェ時代(1500‐08)
第二ミラノ時代以後(1508‐13)
追補
著者等紹介
松井喜三[マツイキゾウ]
1911年長野県に生れる。1936年東京文理科大学理学部動物学科卒業。理学博士。東京教育大学名誉教授。1995年歿。訳書にF.ジャコブ『生命の論理』(共訳、みすず書房、1997)
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感想・レビュー
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roughfractus02
6
著者の図やデッサンは言葉にしづらい一連の動きを表現する。解剖図もまた同様だ。死体の解剖作業は著者が菜食主義者になるほど過酷だったというが(生体解剖はしなかった)、動物と人体の夥しい解剖を経た図は、体の動きを骨、関節、腱、筋肉の連続した捻りによって表現する。また、ウィトルウィウスの人体図に興味を示した著者は、一定の比率を持って構成された人体を肉でなく生命として描くゆえに、図は見る側の生きた知覚を意識した彼の芸術作品同様の陰影に満ちた技法が施された。編者は古代から同時代の解剖学までの解剖図との差異を概説する。2024/10/13
01
0
正確ではないものもあるが美しい。芸術の書でもあり解剖学の書でもある。「おお我々人間機械探求者よ。お前がその知識を他人の死を通して、与えることを苦にするな。我々の創造者がかかる優れた器具に知能を置いたことを喜べ。」2011/10/02