大学のドンたち

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  • サイズ B6判/ページ数 171p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784622048626
  • NDC分類 377.13
  • Cコード C1098

出版社内容情報

表題の「ドン」とは、簡単にはオックスフォード大学とケンブリッジ大学の教師を意味する言葉である。つまり、本書はオックスブリッジの「ドン列伝」であり、とりわけ異彩を放った「良き教師と奇人と天才たち」の評伝集である。

たとえば、「名声や勲章や表彰状には大喜びし、男爵の爵位もためらいなく受けたが、遺産はほんのわずかしか残さなかった」天才物理学者のラザフォード。殉教者の血といわれる敷石の黒いシミをなめて、「これはコウモリの小便です」と言った地質学者のバックランド。もっとしゃべりたいと思って、逃げ出した客人のベッドの端にちょこんと坐りこんだ話し好きのバーリン。他にも、宗教家のニューマン、電子の発見者トムソン、古典学者のジャウェットなど、良くも悪くも人並み外れた「ドンたち」のエピソードが温かくユーモラスに紹介され、その言動・業績が公平に考察される。小さな傑作『てのひらの肖像画』につづく、読んでたのしい評伝集。

書評など:
富山太佳夫さん-毎日新聞 2002.4.21

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Noel Annan(ノエル・アナン)
1916年生まれ。イギリスの歴史学者・伝記作者。39歳の若さで母校ケンブリッジ大学キングズ・コレッジの学寮長になった後、ロンドン大学ユニヴァーシティ・コレッジ学寮長、ロンドン大学初代副総長を歴任。イギリスの大学の教育改革に尽力した。また。ナショナル・ギャラリー評議員長、大英博物館評議員などを歴任し、美術にも深い造詣を示した。代表作は評伝『レズリー・スティーヴン』(1951, 1984)、他に『われらの時代――ある世代の肖像』(1990)、本書『大学のドンたち』(1999)がある。自由と寛容を尊重するブルームズベリー・グループの伝統を引き継いだ学者の一人である。2000年歿。

訳者:
中野康司(なかの・こうじ)
1946年生まれ。東京外国語大学卒業。東京都立大学大学院博士課程中退。東京都立大学教授を経て、現在 青山学院大学英米文学科教授。訳書 N. S. ヌデベレ『愚者たち』(講談社)、E. M. フォースター『アレクサンドリア』(晶文社)、『天使も踏むを恐れるところ』(白水社)、『デーヴィーの丘』『小説の諸相』(みすず書房)、W. ルイス『愛の報い』(集英社)、ダグラス・ダン『ひそやかな村』(白水社)、ボブ・シャコーチス『おれは彼女の心臓を食べた』、アーネスト. J. ゲインズ『ジェファーソンの死』(集英社)、ライオネル・トリリング『E. M. フォースター』(みすず書房)、ジュリアン・バーンズ『海峡を越えて』(白水社)、リットン・ストレイチー『てのひらの肖像画』(みすず書房)ほか。

内容説明

お国なまりのぬけないラザフォード、客人が困るほどおしゃべりなバーリン―オックスブリッジを象徴するドン=教師たちの言動をユーモラスに描いた評伝集。

目次

1 近代的ドンの始まり―ウィリアム・バックランド
2 カリスマ的ドン―ジョン・ヘンリー・ニューマン
3 ベンジャミン・ジャウェットとベイリオル・コレッジの伝統
4 トリニティ・コレッジの科学者たち―J.J.トムソンとラザフォード
5 魔術師としてのドン―アイザイア・バーリン

著者等紹介

アナン,ノエル[アナン,ノエル][Annan,Noel]
1916‐2000。イギリスの歴史学者・伝記作者。39歳の若さで母校ケンブリッジ大学キングズ・コレッジの学寮長になった後、ロンドン大学ユニヴァーシティ・コレッジ学寮長、ロンドン大学初代副総長を歴任、イギリスの大学の教育改革に尽力した。また、ナショナル・ギャラリー評議員長、大英博物館評議員なども歴任し、美術にも深い造詣を示した。代表作は評伝『レズリー・スティーブン』(1951、1984)、他に『われらの時代―ある世代の肖像』(1990)、『大学のドンたち』(1999)がある。自由と寛容を尊重するブルームズベリー・グループの伝統を引き継いだ学者の一人である

中野康司[ナカノコウジ]
1946年に生まれる。東京外国語大学卒業。東京都立大学大学院博士課程中退。東京都立大学教授を経て、現在青山学院大学英米文学科教授
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

timeturner

5
オックスブリッジの歴代名物ドンたち。やはり凡人とは違うなあ、というか奇人変人の集まりじゃないか。研究・業績が優れていればどんな人間も受け入れる懐の深さがさすがだ。2017/03/04

ロピケ

4
アイザイア・バーリンの章から読み始めた(その部分さえ読めば良いと最初は思っていた)。いざその部分を読み終わってしまうと、何となく他の章も気になって結局初めから全部読んでしまった。「ドンって何だ?」と書名自体気になってもいたし。化学や数学などの分野からみた歴史の本は読んだことあったけど、オクスブリッジの歴代の有名教師(学寮長クラス)からみた歴史という視点がユニークに思えた。F・R・リーヴィスの立ち位置が気になっていたので、ここで読めて良かった。ベルッツとワトソン&クリックの話が最高に可笑しかった。2014/01/15

takao

3
ふむ2023/01/20

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