出版社内容情報
92人の92篇の詩と断章を、本の世界を語らせては第一級の詩人、長田弘が選び出して編んだアンソロジー。日本では中島敦、金子光晴から松浦寿輝まで、外国ではツェラン、ボルヘスたちが、書物や作家を名指して書いたゆたかな詩の数々が一巻に。選者の言を聞こう。「この本についての詩集に収めた詩を読んで覚えるのは、どう言ってもかまわない物言いにはない、その名でなければならない具体的な名というものがそなえる、深々とした喚起力です。アリストファネスという一語、ファーブルという一語、チェーホフという一語が、それだけでその全体を喚起してしまう。本についての詩集のどの一篇からも伝わってくるのは、固有名の秘めもつ言葉の力です。…〈二十世紀以後の詩〉の詞華集をつくりたいと、ずっと思ってきました。詩を必要とし、言葉を軽んぜず、なお本を愛する人びとに、今、この一冊を献じます。」
シリーズ《大人の本棚》第14冊
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長田弘(おさだ・ひろし)
詩人。1939年福島市に生まれる。1963年早稲田大学第一文学部卒業。1971-2年北米アイオワ大学国際創作プログラム客員詩人。毎日出版文化賞(1982)、桑原武夫学芸賞(1998)、講談社出版文化賞(2000)などを受賞。詩集に『われら新鮮な旅人』(1965)『世界は一冊の本』(1994)『黙されたことば』(1997)『一日の終わりの詩集』(2000)など。エッセーに『詩は友人を数える方法』(1993)『本という不思議』(1999)『定本 私の二十世紀書店』(1999)『読書からはじまる』(2001)など。他に、『詩人が贈る絵本』(みすず書房)の選訳。
内容説明
その本の世界から誘いだされた詩と、その本の世界へ誘いだす詩。「二十世紀以後の詩」から、固有名の秘めもつ力を伝える92人92篇を選んだ初のアンソロジー。
目次
長田弘―世界は一冊の本(序詩として)
中島敦―遍歴(アウグスティヌス、アナクレオン、アミエル、…)
金子光晴―召集(アリストファネス)
オーデン―(中桐雅夫訳)W・B・イェイツをしのんで3(イェーツ)
安西冬衛―打楽器(ヴァレリー「最後のマラルメ訪問」)
大岡信―「文明」と「文化」の論(ヴィーコ「新しい学」)
リンゲルナッツ(板倉鞆音訳)―ウェーデキント追憶(ヴェデキント)
日夏耿之介―書斎に於ける詩人(エラスムス、ほか)
多田智満子―エクピローシス以後(エリアーデ「永遠回帰の神話」)
天沢退二郎―墓守として(円卓の騎士)〔ほか〕
著者等紹介
長田弘[オサダヒロシ]
詩人。1939年福島市に生まれる。1963年早稲田大学第一文学部卒業。1971‐2年北米アイオワ大学国際創作プログラム客員詩人。毎日出版文化賞(1982)、桑原武夫学芸賞(1998)、講談社出版文化賞(2000)などを受賞
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