出版社内容情報
昨春、処女長篇『舞踏会へ向かう三人の農夫』によって、日本の読書界に彗星のごとく登場し、たちまち席巻した、現代アメリカ文学の若き鬼才、リチャード・パワーズ。彼の90年代の代表作が、いよいよその姿を現わす。『ガラテイア2.2』。ギリシア神話に名高い女性の名前をタイトルに掲げた本作のテーマは、ずばり人工知能である。
主人公は、その名も「リチャード・パワーズ」。既に話題作を幾つか発表し、将来を嘱望された新進作家である。自らの出身大学に設置された先端科学研究所の客員研究者として招聘された彼は、偏屈な天才(?)科学者レンツ博士と出会うことになる。博士は「人工知能は文学を解釈し、理解しうるか」という究極の実験プロジェクトに取り憑かれ、いつしか主人公も抗いようなく、その試みに心身共にのめり込んでいく……。
「まさに華麗というほかはない」と巨匠アップダイクも唸らせた、新世紀作家の面目躍如な傑作。この上なくスリリングな小説の誕生を、若島正の名訳で堪能していただきたい。
書評情報:
高橋源一郎さん/週刊朝日2002.1.18号
Richard Powers(リチャード・パワーズ)
1957年アメリカ合衆国イリノイ州エヴァンストンに生まれる。11歳から16歳までバンコクに住み、のちアメリカに戻ってイリノイ大学で物理学を学ぶが、やがて文転し、同大で修士号を取得。80年代末から90年代初頭オランダに住み、現在はイリノイ州在住。『舞踏会へ向かう三人の農夫』(柴田元幸訳、みすず書房、2000)で作家としてデビュー。著書にPrisoner's Dilemma(1988)、The Gold Bug Variations(1991)、Operation Wandering Soul(1993)、本書Galatea 2. 2(1995)、Gain(1998)がある。最新作はPlowing the Dark(2000)。
訳者:
若島正(わかしま・ただし)
1952年、京都市生まれ。英米文学専攻。1975年、京都大学理学部卒業。1980年、同文学部卒業。1982年、同大学院文学研究科修士課程修了。現在、京都大学大学院文学研究科教授。著書『盤上のパラダイス』(三一書房、1988)、『乱視読者の冒険』(自由国民社、1993)、『盤上のファンタジア』(河出書房新社、2001)、『乱視読者の帰還』(みすず書房、2001)。訳書『幻想と文学』(東京創元社、1989)、『ゴースト・ストーリー』(ハヤカワ文庫、1994)、『完全チェス読本』1・3(毎日コミニュケーションズ、1998)、『告発者』(早川書房、1999)、『アラビアン・ナイトメア』(国書刊行会、1999)、『ディフェンス』(河出書房新社、1999)など。共訳書『ハイパーテクスト』(ジャストシステム、1996)、『ナボコフ短編全集』Ⅰ・Ⅱ(作品社、2000-01)など。
内容説明
リチャード、と彼女はささやいた。彼女の名前はヘレン、最新型の人口知能―『舞踏会へ向かう三人の農夫』の天才作家が描く新世紀の恋愛小説。
著者等紹介
パワーズ,リチャード[パワーズ,リチャード][Powers,Richard]
1975年アメリカ合衆国イリノイ州エヴァンストンに生まれる。11歳から16歳までバンコクに住み、のちアメリカに戻ってイリノイ大学で物理学を学ぶが、やがて文転し、同大で修士号を取得。80年代末から90年代初頭オランダに住み、現在はイリノイ州在住
若島正[ワカシマタダシ]
1952年、京都市生まれ。英米文学専攻。1975年、京都大学理学部卒業。1980年、同文学部卒業。1982年、同大学院文学研究科修士課程修了。現在、京都大学大学院文学研究科教授
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