出版社内容情報
少年少女が感じるアメリカの四季を、毎日ひとつの詩と絵で柔らかく表現した、読みつがれる絵本。
内容説明
子どもの頃は、どうしてあんなに毎日がくっきりしていたのだろう。自然が息をするのにあわせるように、からだが息をしていた。季節、季節が、新鮮な発見に満ちていた。舗道にのこった夏のキャンディーのしみ。リンゴの皮の味のする秋の風。すっかり葉の落ちたカエデの木。クリスマス・キャロルの懐かしいひびき。初雪。春の訪れ。子ども時代の12カ月の光景を繊細なリズムに刻み、さりげないけれど、とても大切なものを伝える詩のカレンダー。成長するとは、何を獲得することなのだろう。何を喪失することなのだろう。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
KAZOO
129
このシリーズの何作目かなのですが、いつも長田弘さんの素晴らしい訳に印象付けられます。この作品は、アップダイクのものですが、題名だけだとブラッドベリを思い出してしまいました。1月から12月まで季節感あふれる絵と文章で楽しめました。2017/01/21
吉田あや
72
アップダイクの言葉の断片から立ち昇る幼い頃の遠く懐かしい春夏秋冬。木々の新芽と淡いクロッカス、嬉しい匂いが運ばれ始める浅い春の始まり。空を跳ねる羊雲、明るく輝く遠い丘、全てが新しく生まれ変わるバラ色の春。金の時間、銀の日々、夢見るように太陽が喜ぶ眩しい夏。朝もやに磨かれ風はリンゴの皮の味がする、実り熟した蜜なる秋。夕闇が深まり始める頃川は凍り灰色の風が吹く。ひとひらの雲がやがて世界を真白に包みその先の光を待つ冬。変わることなく巡りゆく、美しい十二ヵ月の季節たち。2020/11/07
mntmt
19
詩集。アメリカの子どもたちの十二ヶ月。季節感に溢れているし、繊細なタッチの絵も綺麗。訳文の日本語がとっても良かった。2015/09/28
アイアイ
16
定期的に読みたくなる大人の絵本。12か月の四季を描いたイラストと詩が線の一本までも美しい。 「言葉と絵の対位法としての絵本」の世界を造り出した最初の人とされるナンシー・エクホーム・バーカートの絵が 存分に堪能できる。四季の中で秋からが見どころの一冊。▽図書館2015/10/03
絵本専門士 おはなし会 芽ぶっく
15
ハロウィーンだけの本かとタイトルで想像しましたが、12か月を詩で綴っています。詩が日常生活に寄り添いながらも季節を感じるステキなものばかりでした。2022/02/23