出版社内容情報
自分らしく死を迎えたい! 癌を告知された女性編集者の死をめぐる精神のドラマを鮮烈に描く。
内容説明
自分らしく死を迎えたい!癌を告知された女性編集者は過去を問い直し、本当の人間関係をもとめる。人生の幕切れを前にした一女性の精神ドラマ。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
raizou27
3
運よく、余命が1年ありますと教えてくれた時には、ぜひ読み返してみたい。肺癌で治療を拒否して、自宅で「本当の関係」だけに、心も時間も使おうと決心する。どの国の人であれ、死への態度決定の難しさは変わらないのだ。誠実に立ち向かうも、だんだんと肉体の衰えが、いろんなものを奪ってゆく。その辺の、主人公の心の揺れが、見事に表現されている。過去のわだかまりも解決したいと、焦る気持ちもとてもよくわかる気がする。著者を初めて読んだのですが、その人間性と文章の美しさに惹きつけられました。2016/11/01
chimi
0
-人間が成長するには時間がかかるってことかな…成長するためには自分を客観的に見て、理解しなきゃならない。でも、シビルにはそれができなかったのよ。だからあんなに攻撃的で破壊的だった……、女であることのリスクは、男よりもはるかに大きい。自分が選びもしない人生に搦めとられてしまう危険は、女のほうがずっと大きいのだ-。2016/12/01
Kiu Kiu
0
心の底から愛した女性が肺がんで亡くなった経験があるため、当時彼女はこんなふうに感じていたのかな…などものすごく入り込める部分が多かった。が、決して感傷的にならず、たしかに人はこんな時にはこんな心境になるのかも、と共感できたところはこの作者の表現力の高さゆえか。最後に主人公に心からの救いがあって本当によかった。2022/09/20
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- 和書
- 天総官文興進様