出版社内容情報
20世紀文学を代表する大作全3巻完結。戦争と革命に明け暮れたラテンアメリカ社会のあらゆる局面を資料と想像力で描切る驚異の作品
内容説明
20世紀を彩る人物群、嘲弄されたユートピアの明暗を、まざまざと再現。驚異と地獄、宿命と奇跡を描くラテンアメリカの大いなる歌。全巻完結。
著者等紹介
ガレアーノ,エドゥアルド[ガレアーノ,エドゥアルド][Galeano,Eduardo]
1940年ウルグアイのモンテビデオ生まれ。早くからジャーナリストとして活躍するが、1973年の軍事クーデタによりアルゼンチン、スペインへ亡命。1985年帰国。ラテンアメリカと世界の現実を鋭く切り取る発言で知られる
飯島みどり[イイジマミドリ]
1960年東京生まれ。東京大学教養学科卒。岐阜大学教養部を経て、立教大学教員。ラテンアメリカ近現代史およびイベリア‐アフリカ関係史専攻(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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きゅー
8
待ち望んだ最終巻。副題に「風の世紀」とあり、フアン・ルルフォの次の言葉で始まる「そして僕らは爪で風にしがみつこうと」。身に付けるものは何もなく空手で、風のように頼りないものに必死でしがみつき、生きていこうとする姿がまざまざと思い浮かぶ。このラテンアメリカ500年を描いた叙事詩ともいうべきものもようやく終りが見えてきた。火で火を消そうとするような闘争の歴史ではあったが、人々がそのなかでも愛し、赦し、こどもが生まれ、老いて死んでゆく、そんな姿をかいま見ると、興奮とも違う一種の高揚感を覚えずにはいられなかった。2012/02/07
koz kata
1
1984年で終了。ピノチェト失脚まで扱って欲しかった様な気も。ちょいちょい出てくるミゲル・マルモルがなかなか死なないのがエルロイお約束のどの年代であっても時代説明の際にカストロの命もあと少しと思われた、的な文章が入ってるのと似ていて笑えた。それにつけてもアメリカ合衆国は南米で独裁政権を後押ししすぎ。アメリカの大企業が儲かれば何万人死んでもいいのな。2015/07/22