出版社内容情報
牧神パンからSF物語まで、現代の病弊を鋭く風刺するファンタジーに満ちた傑作12篇を集成する。
内容説明
牧神パンからSFまで、ファンタジーに満ちた12篇の名作を収録。著作集全13巻完結。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
paluko
3
「どこもかしかもボタンとスイッチの列だ。食料ボタン、音楽ボタン、衣料ボタン。(略)文学供給ボタンもあった。もちろん友人と通信するボタンもあった。部屋には何もないが、世界中の欲しいものと接触できた」(175頁「機械が止まる」)まさに現代社会withスマホじゃないですか。これが1909年の作品とは。イタリアの山野には当たり前にパン神が存在し(パンの神のお通り)、ロンドン郊外の森ではファウヌスが踊る(アザー・キングダム)。かと思うと「洒落怖」に登場しそうな怪奇譚(コロノスからの道)もあり。楽しんで読めました。2024/09/15
ユウユウ
1
「機械が止まる」、まさに今を描いているようで、ぞっとした。2023/02/27
timeturner
1
幻想小説の体裁をとってはいるけれど、その底には生と死に関する作者の思索が渦巻いている。フォースターを再発見したような気分。2013/05/07
もー子
0
天国行きの乗り合い馬車で、ミスターボンズはスノッブの逆さま読みと教えてもらってクスリ、機械が止まるとき、で、機械に支配された生活にゾクリ、フォースターの短編の巧さにニヤリ。2016/05/23