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出版社内容情報
テクストの多様な解釈が一つの方向に収斂するのは何故か。解釈論の最先端を示す画期的な論考。
内容説明
テクストを前にして、人間はいかなる精神作業を行なうのか?解釈共同体という概念によって、読者論に新しい地平を切り拓いたアメリカ文学批評理論の成果。
目次
文体論とは何かなぜ彼らはそんなにばかなことを言っているのか
常態、直義的言語、直接的言語行為、通常、日常、明白、了解事項、その他の特殊事例
ジョン・ライカートに応えて
第2部 教室および文学批評における解釈の権威(このクラスにテクストはありますか;詩を見ていかに詩と知るか;解釈を受け入れさせるものは何か;実証か説得か―批評活動の二形式)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
竹花 樒 - Shikimi Takehana
4
フィッシュの説得の論旨は一貫しており「テクストの〈形式〉から一義的な意味へと還元することはできない」、かつそれは「形式が存在していないことを意味するのではなく形式とは絶えず先行する〈読み=解釈〉によって知覚される」ものであることを述べている。そしてその解釈の信念を形作るのが共同体的かつ慣習的な「解釈共同体」であり、われわれは常にこれに身をおくことでその視点に則った解釈戦略により意味を生成することになる。言い回しは極めて難解、がそれ自体が本書の理論の例証になっており「説得力」を齎す形式であったと受け取れた。2011/05/03
monado
0
自分が色々と考えていたことが、きちんと書いてあった。「このクラスにテクストはありますか」ってそういう意味だったのね。2012/12/20
たろーたん
0
「解釈共同体は解釈戦略を共有する人々から成っている。テクストを読むための戦略ではなく、テクストを書くための、つまり、テクストの特性を構成しテクストに意図を付与するための戦略共有する人々から成っている。この戦略は読む行為に先立って存在し、したがって読まれるものの形を決定する。一般的に考えられているのと違って、その逆ではない。」「ただ解釈共同体によって生み出される意味やテクストは主観的ではない。なぜなら、そのような意味やテクストは孤立した個人から生まれるのではなく、公的で観衆的な見解から生まれるからである。」2020/10/01