出版社内容情報
突如出現した天才作家の全貌に、アメリカ文学最良の案内人が迫る、スリリングなガイド・ブック。
内容説明
リチャード・パワーズ―アメリカ文学の“巨大新星”の全貌。
目次
「正しさ」の前線を下げよ―パワーズと「現代」小説の条件
世界のねじれの影のなかから
対話 二つの弧が交わるところ
その農夫たちの「まなざし」が気になって
かれらとともにぬかるみを歩いて
『黄金虫変奏曲』をめぐる変奏曲
語りの力―ストーリー・テラーとしてのリチャード・パワーズ
『舞踏会へ向かう三人の農夫』小事典
リチャード・パワーズ全作品案内
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
山口透析鉄
23
古書で昔、購入していた本、ずっと積読でしたが、ようやく読みました。 リチャード・パワーズの小説、実はまだ「われらが歌う時」しか読んでいないのですが、本は何冊か購入済みのままになっていますので、まずはこちらを読もうとなりました。 パワーズ入門書でかつガイドブックで、読みやすくまとまっています。 パワーズ氏ご本人の対談記事等もあり、頑張って読もうと思いましたよ、けっこう翻訳されてきていますし。2023/07/22
スミス市松
16
氏の作品を初めて翻訳した時期ということもあって、執筆者たちの「私たちはリチャード・パワーズという新しい作家を紹介したいんだ!」という気概が伝わってくる。未訳既訳含めて初期作品のあらすじが載っているものの、何しろどれも厄介な構造なので個人的には直に作品を読んだ方が分かりやすいのではないかと思う(パワーズという人は最終的にはとても親切な作家である気がする)。彼がインタビューで語った難解な創作のテーマと、それが織り込まれた小説作品という“二つの視座”によって浮かび上がる何かを発見していくのもまた興味深い。2013/07/14
みーまりぽん
12
1999年、遅ればせながら・・・とリチャード・パワーズの第一作「舞踏会へ向かう三人の農夫」の邦訳本刊行にこぎつけた柴田元幸さんがその勢いで(?)翌年に同じみすず書房から、インタビューやパワーズ論などを集めて出したもの。 作品自体を読む前にすぐこうした本に手を出してしまうのはどうかと思いつつもう読んでしまったのですが、とりあえずどの作品も(いまだ邦訳されてないものも含めて)面白そうだなあ・・・ということぐらいしか頭に入らなかったのでまあ良しとしませう。 しかし、原文が読めるって良いよなあ.. 今更ながら..2021/07/01
atomos
7
『黄金虫変奏曲』の翻訳は永遠に待ち続けるので、他の未訳のパワーズ作品をどうにかしてもらいたいなあ。『さまよえる魂作戦』って、ものすごく面白そうじゃないか。藤井光さんに翻訳してもらいたいです。2014/04/12
デコボコ
5
柴田元幸さんによって、『舞踏会へ向かう三人の農夫』が、章ごとに数文で要約されている。かなり見通しが良くなって、嬉しい。 パワーズへのインタビューも面白くて、むしろ対談とか対話とか言った方がしっくりくる仲の良さと踏み込み具合でした。2015/02/06
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