小津安二郎のほうへ―モダニズム映画史論

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  • サイズ A5判/ページ数 333p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784622042693
  • NDC分類 778.21
  • Cコード C1074

出版社内容情報

小津原資料3部作の編纂などで知られる著者の、初の単行本。2001年末刊行の《大人の本棚》シリーズ『小津安二郎「東京物語」ほか』につづく「OZU生誕100周年」直前企画の第2弾!

内田吐夢の映画に先駆け、ラジオで『土』を演出した溝口健二、新進画家としてプロレタリア美術運動に身を投じた黒澤明、ライカ愛好家・小津安二郎に写真誌「光画」での作品発表を求めた木村伊兵衛、日本初のトーキー『マダムと女房』を書き上げた小山内薫門下は飛行機マニアの北村小松。さらに、近代スポーツの動きを“チャンバラ”に持ち込んだラグビー部出身マキノ兄弟&山中貞雄、時代劇のヒーロー『丹下左膳』のみならずモダニズムの文体を創造した谷譲次=長谷川海太郎、ヤクザ映画さながら血飛沫にまみれた生涯を送った大都映画創立者・河合徳三郎……。

1920-30年代の小津安二郎、そして映画という現象をモダニズム運動の一環として捉え直しつつ、ジャンルを超えて作動するアート・シーン、異なるメディアの相互干渉のうちに分け入って黄金期日本映画の鉱脈を掘り起こした本書は、近代日本の文化変容を問う「もうひとつの映画史」の試みである。

田中眞澄(たなか・まさすみ)
1946年北海道に生まれる。慶應義塾大学大学院文学研究科修士課程修了(国文学専攻)。映画史研究家。編書『小津安二郎全発言 1933~1945』(泰流社、1987)、『小津安二郎戦後語録集成 昭和21(1946)年-昭和38(1963)年』(1989)、『全日記 小津安二郎』(1993)、『[映畫読本]成瀬巳喜男』(1995、共編著)、『[映畫読本]森雅之』(1998、共編著)、『[映畫読本]清水宏』(2000、共編著、以上フィルムアート社)、『小津安二郎「東京物語」ほか』(みすず書房、2001)ほか。共著『小津安二郎映畫讀本』(松竹映像本部映像渉外室、1993)、『時代劇映画とはなにか――ニュー・フィルム・スタディーズ』(人文書院、1997)ほか。

内容説明

ラジオ劇演出者・溝口健二、画家・黒沢明、写真家・小津安二郎…。異なる芸術、メディアの交錯に分け入って、近代日本の文化変容を問う「もうひとつの映画史」。

目次

北村小松から小津安二郎へ―物語・蒲田モダニズム
「言葉」の背景
兵士小津安二郎
ライカという“近代”―小津安二郎と木村伊兵衛
小津が歩いたモダン東京
「サノパガン」谷譲次―“昭和モダン”の先行者
浅原六朗、または一九三〇年という“場”
もうひとつの『土』
空白を埋める新たな発見―内田吐夢『少年美談・清き心』
プロレタリア美術運動と黒沢明〔ほか〕

著者等紹介

田中真澄[タナカマサスミ]
1946年北海道に生まれる。慶応義塾大学大学院文学研究科修士課程修了(国文学専攻)。映画史研究家
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

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